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瞑想で頭の中を空っぽにして、気持ちをリセットしよう

瞑想で頭の中を空っぽにして、気持ちをリセットしよう

ストレスをためこむと、ネガティブな感情がふくれ上がってどんどん落ち込んでいったり、仕事や家事などが手につかなくなったりしがちです。そんなときは、1日10分でもよいので、「瞑想」で心をととのえてみましょう。一時的にストレスから離れ、集中力も高めることができます。

ネガティブな思考や感情は、悪循環に陥る前にリセットしよう

ストレスになるような物事が起こったときや心配事ができたとき、ネガティブな思考や感情にさいなまれ、逃れられなくなることがあります。

特に物事を悪いほうへ考えやすいクセ=「認知のゆがみ」(「ストレスを人生のスパイスに」 参照)のある人は、たとえば仕事でちょっとしたミスをした際にも、「上司や同僚の信頼を失った」「自分は何をやってもダメだ」などと思い込んで、不安や焦 りでいっぱいになってしまいがち。その結果、ますます仕事が手につかなくなってさらに落ち込んだり、夜眠れなくなって遅刻をしてしまったり……といった悪 循環に陥ることがあります。そうなる前に、早めにリセットしましょう。

瞑想で頭の中を空っぽにするのがおすすめ

「瞑想」というと、崇高で宗教的なものと感じる人もいるかもしれませんが、実は1日10分程度で気軽にできる、ストレス解消法でもあります。
浮かんでくるさまざまな雑念をシャットアウトし、「今」「瞑想している自分」だけに集中することで、頭の中を空にして、一時的にストレスから離れることができます。

瞑想のやり方

  • できるだけ落ち着く環境で座りましょう。座禅は無理に組む必要はなく、脚を崩していても、いすに座っていてもOKです。
  • 目は完全に閉じず、見開かず、うっすら開けておきます。
  • 親指と人差し指で輪を作ります。途中で眠ってしまった場合に、くっつけていた親指と人差し指が離れるので気がつくことができます。
  • おへその下にある「丹田(たんでん)」という部位に意識を集中させ、少し遠くの床をぼーっと見ましょう。
  • ゆっくりと呼吸をくり返します。

瞑想の間に、さまざまな思いが浮かんだり、体がむずむずしてきたりすることがありますが、それらにとらわれずに、自分の呼吸に注意を向け直すようにします。
最初はうまくいかないことが多いものの、何度もくり返すうちに慣れてきます。その日のストレスをその日に解消するためにも、毎日寝る前に行うなど、できるだけ習慣的に実践するとよいでしょう。

どこでもできる「マインドフルネス瞑想」

近年、欧米の有力企業で従業員の研修プログラムに採用され、ストレス軽減や集中力アップに役立つものとして注目されている「マインドフルネス瞑想」も、ここで紹介したような瞑想技法です。うつ症状の改善や睡眠の質の改善など、さまざまな効果があることが科学的にも実証されています。

マインドフルネス瞑想では、常に「今、この瞬間」の自分に意識を集中し、思考や感情が浮かんできても、それらを客観的に観察するように心がけます。どんな思考や感情も、ゆったりとした川を流れていくたくさんの葉っぱや、広い空を流れていく雲のようなもので、ただ眺めていれば過ぎ去ってしまうもの。そのように実感できれば、不安やイライラが減っていきます。

マインドフルネス瞑想には座って行う瞑想だけでなく、食べる瞑想(食べ物の形や味や食感に注目し、五感をフルに活用してゆっくりと味わって食べる)、歩く瞑想(急がずに、一呼吸ごとに自分が何歩進んでいるのかを意識しながらゆっくりと歩く)などもあります。通勤やランチのときにもできるので、気軽に始めてみましょう。

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。