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「同期が先に昇進。焦るばかりでうまくいきません」

「同期が先に昇進。焦るばかりでうまくいきません」

Q. 40代男性です。同期が自分より先に昇進してしまい、心に余裕を持てなくなりました。仕事量を増やし、毎日遅くまで残業したり休日も仕事したりしていますが、空回りするだけで先に進めていないようです。

A. マイナスの感情が悪影響を与えています。認めたくないかもしれませんが、「同期に嫉妬(しっと)している」自分を受け入れましょう。

仕事量を増やしても、心の健康を害するばかり

同時にスタートし、同じようにがんばってきたはずの仲間が、先に認められてしまってショックだったのですね。自分の努力が足りないからだ、もっと仕事をがんばれば自分も認めてもらえるはず……という結論に達し、ストレスから逃げるためにも、がむしゃらに仕事量を増やしているのでしょう。

しかし、それで仕事量を増やしても逆効果です。こなしきれないほどの仕事を抱え、きちんと休めていないようでは、心身ともに疲弊するだけ。すでに心に余裕がなく、空回りを感じているようなので、ワーカホリック(仕事中毒)からバーンアウト(燃え尽き症候群、無気力やうつの状態)になりかねません。

マイナスの感情をプラスに転換し、現状を打開しよう

あなたが受けた「ショック」の根底にあるのは、同期への嫉妬ではないでしょうか。同期が自分より優れていると認めたくない、嫉妬というマイナスの感情を持ちたくないあまりに、自分の力不足のせいだと思い込もうとしているようです。

今のあなたに必要なのは、まず、同期に嫉妬していることを認めること。そして、「嫉妬した自分はまだまだ仕事に対する熱意や向上心があるのだ」と、プラスの考え方に転換しましょう。それだけで、心がマイナスの悪循環から抜けだして、楽になるはずです。

心が落ち着いたら、周囲の人に手伝ってもらうなど、抱えた仕事を見直しましょう。「引き受けた仕事を、今更誰かに振るなんて」と思うかもしれませんが、周りの人も心配しつつ、手をこまねいていたかもしれません。睡眠時間やプライベートの時間をきちんと確保し、休日もしっかり休みましょう。

また、日々のストレスをその日のうちに解消することも大切です。趣味の時間を持ったり体を動かしたり、ゆっくりお風呂に浸かったり……自分に合った方法で、ストレスを解消しましょう。 

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 (医学博士 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長
神奈川産業保健総合支援センター相談員 埼玉学園大学大学院客員教授)
1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。