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「友人から『死にたい』と言われたら、どうしたらいいですか」

「友人から『死にたい』と言われたら、どうしたらいいですか」

Q. 30代女性です。最近悩んでいると言っていた友人から、「もう生きていても仕方がない、死にたい」というメールが来ました。どう返信したらいいでしょうか。

A. まずは、一刻も早い返信を。短くてもよいので、「決して死なないで」というメッセージを伝えることが大切です。

救いを求めるサインであることを受けとめ、まずは一刻も早い返信を!

友人から「死にたい」「消えてしまいたい」などといったメールや電話が来たら、とまどい、途方にくれてしまいますよね。

しかし、このような内容のメールや電話は、悩みを抱えた人が必死になって発している、救いを求めるサインです。内容を真剣に受けとめ、とにかく一刻も早く返信をすることが重要です。

「死にたい」と口にする人の多くは、心のどこかで「止めてほしい」と考えている

世間では、「自殺は前触れもなく突然起き、周りの人が止めることはできない」「自殺を口にする人は本当に自殺しない」などの誤った認識が知られていますが、自殺は決して突然起きるものではありません。また、多くの自殺者は直前まで迷っており、心のどこかで「自殺を止めてほしい」と考えていることがわかっています。

死の覚悟をもつ一方で、身近な人間であるあなたに、その思いを止めてほしいと思って必死に連絡をとっている――その思いをくみ取り、「決して死なないで」というメッセージをできるだけ早く返信してあげてください。たとえ冗談であっても、「そんなに死にたいならそうすれば」などと書くことは禁物です。

また、電話や直接の会話などで自殺願望を打ち明けられたときは、時間をかけて話を聴くことが大切。何か気の利いた助言をしなければ、と焦る必要はありません。じっくりと話を聴いているうちに、自殺への気持ちが緩和されることもあります。

周囲の人がサインに気づき、専門医の受診を促そう

心の病によって自殺につながりかねない状態の人は、ほかにもさまざまなサインを発していることがわかっており、厚生労働省が「自殺予防の10箇条」としてまとめています(「自殺を未然に防ぐために、この“危険なサイン”に注意!」参照)。

心の病が疑われる人に対しては、周囲の人ができるだけ気にかけて話をよく聴き、このようなサインを多く認める場合は、早い段階で心療内科や精神科などの専門医の受診に結びつけることが大切です。

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 (医学博士 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長
神奈川産業保健総合支援センター相談員 埼玉学園大学大学院客員教授)
1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。