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「マイナス思考ばかりの自分。このまま変われないのでしょうか?」

「マイナス思考ばかりの自分。このまま変われないのでしょうか?」

Q. 20代男性です。「自分はいつもこうだ」「どうせダメだろう」「また失敗するかも」……仕事でもプライベートでも、いつもマイナス思考になってしまいます。ずっとこのままなのだろうかと不安でたまりません。

A. マイナス思考におちいりやすいタイプの人でも、自分の“心のクセ”に気づくようにすれば、改善することができます。ただし、ストレスが続くと誰でもマイナス思考になりがちなので、日々ストレスを解消するように努め、ときには専門家の助けも借りましょう。

悪いほうへ考えてしまう心のクセ=「認知のゆがみ」にご用心

日々、なんでもマイナス思考になってしまい、そのことでさらに不安にかられているのですね。

人の思考や行動の背景には、なんらかのフィルターを通して物事を見ているような、その人なりの物事の捉え方(認知)があります。なんでも悪いほうへ考えてしまいやすいのは、そのような心のクセ=「認知のゆがみ」があるためです。

相談者さんのように、認知のゆがみが起こりやすい人や、ストレスを受けやすい人はいますが、だからといって何も変えられないわけではありません。認知のゆがみに自分で気づけば、別の捉え方で物事を捉え直して考え方を変えることや、建設的な行動にもっていくことはできます。

『認知のゆがみ』の10パターン」を知っておき、マイナス思考におちいったときには立ち止まって振り返り、物事を捉え直してみるようにしましょう。

認知のゆがみが起こっていたら、視点を変えてみる

認知のゆがみが起こっていることに気づいたら、一歩下がったところから見つめるようなつもりで、次のように考え直してみましょう。

身近な誰かだったら……を考えてみる
家族や友人など、頼りにしている身近な誰かがここにいたら、どのような捉え方をするでしょうか。また、今のあなたに対し、その人はどのようにアドバイスしてくれるでしょうか。

あるいは、その人が今のあなたの立場で、あなたのような考え方をしていたら、あなたはどのようにアドバイスしますか?

今の自分ではなかったら……を考えてみる
元気なときの自分だったら、どう捉え、どう考えるでしょうか。あるいは、以前同じような経験をしたとき、どう対処したでしょうか。

今悩んでいることの意味を考えてみる
自分がとろうとしている行動の最終的な目的や、自分が心配している結果について考えてみましょう。例えば、「どうせ無理だからやらない」といった考え方におちいっている背景には、過去に同様のことをやり遂げられず、悔しい思いをした経験が影響しているのかもしれません。そのように気づいたら、解決の糸口が見つけられることもあるでしょう。

ストレスは日々解消し、抜け出せないときは専門家に相談を

認知のゆがみは誰にでも起こります。元気なときにはたいしたことはないと受け流せても、ストレスを受けたり疲れたりしているときには、極端に悲観的に考えてしまうもの。

認知のゆがみが起こらないようにするためには、自分なりのストレス解消法をもち、日々のストレスをその日のうちに軽くしましょう(「ストレスをなくすためのよい方法を教えてください」参照)。

これらのセルフケアでも解決できないときや、セルフケアに取り組む気力が起こらないようなときは、心療内科や精神科などを受診するか、専門相談窓口(厚生労働省「こころの耳」に掲載されています)を利用しましょう。

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 (医学博士 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長
神奈川産業保健総合支援センター相談員 埼玉学園大学大学院客員教授)
1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。