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「転勤したばかりで、なかなか緊張が取れません」

「転勤したばかりで、なかなか緊張が取れません」

Q.30代女性です。この4月から支社に異動になり、通勤時間が増え、人間関係はもちろん、仕事の内容も変わりました。緊張の連続で気が休まらず、なかなか寝付けません。どうすればいいでしょうか?

A.新しい環境に慣れるまでには時間がかかります。生活のなかに腹式呼吸を取り入れる、ヨガに取り組むなどして緊張をほぐしましょう。

慣れるには時間がかかるもの。焦らず、ストレス解消を

春は変化の季節。職場や仕事内容が変わった人や、生活環境が変わった人はたくさんいることでしょう。相談者さんも、「新しい環境に早く慣れなければ」という焦りでいっぱいなのですね。

誰でも、今まで培ってきた経験やスキルが通用しなかったり、立場や役割に変化が起きると、戸惑いや不安からストレスを感じるものです。なんとかしなければ、とつい焦ってしまいがちですが、慣れるにはどうしても時間がかかります。時間が解決してくれることを待ちながら、今日からできるセルフコントロールで、日々のストレスを解消するように努めましょう。

腹式呼吸で全身に酸素を行き渡らせて、緊張を取り除こう

職場などでずっと緊張していると、帰宅して家でくつろぎたくても、体がこわばっていたり、追い立てられるような感覚が抜けず、くつろげなくなってしまいます。これが続くと、慢性的なストレスにより疲れがとれず、頭痛や不眠をはじめ、さまざまな心身の不調が現れてきます。

そこでおすすめしたいのが、「腹式呼吸」です。人はストレス状態にあると無意識に呼吸が浅くなり、脳にも体中にも酸素が行き届かなくなります。疲れているときや眠いときにあくびが出るのは、脳が酸素を求めているからなのです。体の緊張をほぐすためには、日常生活のなかで腹式呼吸を行って、全身に酸素を行き渡らせしましょう。

どこでもできる腹式呼吸。ヨガならもっとリフレッシュできる

腹式呼吸は文字通り、おなかをふくらませて息を吸い込み、おなかをへこませて息を吐き出す呼吸法です。私たちはふだん「胸式呼吸」を行っているので、慣れるまでは以下のやり方で、あお向けに寝て練習するとよいでしょう。眠る前に寝床の上で行えば、寝付きもよくなるので一石二鳥といえます。

【あお向けで行う腹式呼吸のやり方】
(1) 膝を曲げて、腰を十分に床につける。
(2) 両手をおなかに当て、おなかの温かさに意識を向ける。
(3) 腹筋を意識しておなかをへこませながら、ゆったりと息を吐く。
(4) 吐ききったら、鼻からゆっくりと息を吸って、おなかをふくらませる。
(3) (4)を1分ほど繰り返しましょう。

腹式呼吸を取り入れたヨガなら、爽快感が得られるのでさらにリフレッシュできます。全身の筋肉をたくさん使うため、内臓の働きや代謝もよくなって、冷えや不調の改善にもつながります。スポーツクラブに通ったり、本やDVD、インターネット動画などを参考に、自宅でも気軽に始めてみるとよいでしょう。

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 (医学博士 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長
神奈川産業保健総合支援センター相談員 埼玉学園大学大学院客員教授)
1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。