文字サイズ

「初対面の人とうまく話すには、どうしたらいいでしょうか」

「初対面の人とうまく話すには、どうしたらいいでしょうか」

Q.20代男性です。これまでほぼデスクワークだったのですが、社外の人と会うことの多い部署に異動になってしまいました。初対面の人とうまく話せないので、不安です。

A.相手の話をよく聞くこと。そして、口調や表情、態度、外見などによる非言語的コミュニケーションが重要です。自分の口調や表情などをチェックしてみましょう。

相手の話にしっかりと耳を傾け、相づちや頷きで理解を示そう

初対面の人と話すのは緊張する、なかなか会話が続かないという人は多いものです。ビジネスの場面では、ある程度のコミュニケーションスキルが求められるため、苦手な人にはストレスになりかねません。ポイントをつかんで、不安要素を減らしていきましょう。

第1のポイントは、相手の話をじっくりと聞く(聴く)こと。自分のことを理解してもらい、相手のことを理解するには、相手にしっかりと耳を傾け、相手の話を聞く姿勢が大切です。このとき、よく「相手の目を見て」といわれますが、相手の目を見ることが苦手な人もいるでしょう。また、相手から目を見つめられるのを嫌がる人もいるので、眉間のあたりや鼻の先あたりを見るのがおすすめです。

そして、聞きながら、相づちをうったり、わかったときには「わかりました」と言ったり、深く頷いて理解を示しましょう。一方、わからないときには聞き返したり、「こういうふうに理解したのですが間違いないですか」と確認するようにします。しっかりと聞いていれば、適切に自然な質問が出てきます。そうした質問をはさむことで、会話がよりスムーズになり、相手も「自分のことをわかってくれている」「受け止められている」と心地よく感じるものです。

口調や表情などが言葉と一致しているかどうかが重要。態度と外見にも注意

さて、コミュニケーションには、言葉による「言語的コミュニケーション」と、口調や表情、態度、外見などの「非言語的コミュニケーション」があります。この両方を活用するのが、第2のポイントです。

アメリカの心理学者、アルバート・メラビアンが1971年に提唱した「メラビアンの法則」によると、話し手が受け手に与える印象の大きさは、言葉などの「言語情報」が7%で、口調や話すスピードなどの「聴覚情報」が38%、表情や態度などの「視覚情報」が55%と、9割を非言語的コミュニケーションが占めているそうです。言葉を正確に伝えるためには、言葉と一致した非言語コミュニケーションが重要です。

例えば、「とても嬉しいです」とポジティブな言葉を発しているのに、語調や表情には悲しみやいらだちなどが表現されていると、相手は戸惑いや不信感を覚えてしまいます。さらには、それらのネガティブな感情のほうを「本音」として受け取ってしまいがちです。次のような点に注意して、自分の口調や表情などをチェックしてみましょう。

・口調
声の大きさや高さ、話すスピードは、相手が聞き取りやすいものになっていますか。また、語頭や語尾の音を強めると、怒りやいらだちなどのネガティブな感情が伝わってしまいます。優しさや親しみ、感謝、喜びなどのポジティブな感情を効果的に表現するには、語尾の音を上げたり伸ばしたりするようにしましょう。

・表情
無表情や怖い顔になりがちな人は、意識して柔和な表情をつくりましょう。表情筋を鍛えるのもよいでしょう。

・態度、姿勢
話の最中に無意識に腕を組むと、対話を拒むメッセージを相手に与えてしまうので注意しましょう。また、背筋を伸ばして笑顔でいると、自然に気持ちも前向きになります。

・外見
外見が相手に与える印象に影響を及ぼすのはもちろんですが、自分自身にも影響を与えます。気分が晴れないときや落ち込んでいるときなどは、明るい色の服を選んだり、清潔感に気を配ると、自分もすっきりとした気分になれます。

これらが自然にできるようになると、初対面の人と話しやすくなるでしょう。日常生活にも、ぜひ生かしてください。

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 (医学博士 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長
神奈川産業保健総合支援センター相談員 埼玉学園大学大学院客員教授)
1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。