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「友人に『うつ病になりやすい性格』と言われ、一人暮らしが心配です」

「友人に『うつ病になりやすい性格』と言われ、一人暮らしが心配です」

Q.20代男性です。就職を機に親元を離れ、一人暮らしを始めました。長い付き合いの友人には「うつ病になりやすそうな性格だから気をつけたほうがいいよ」と言われており、新生活が不安です。

A.うつ病になりやすい性格や素質はあると言われていますが、それらに当てはまるからといって、必ずうつ病になるわけではありません。自分のストレス状態に早めに気づき、セルフコントロールに取り組みましょう。

まじめで責任感が強い人や仕事熱心な人、常に全力投球の人などは要注意

新社会人にはストレスがつきものですが、さらに住環境が変わり、帰っても家族はおらず、家事も一人ですべてこなさなくてはならない……相談者さんには、今、さまざまなストレスがかかっている状態です。

友人の指摘どおり、これまでのさまざまな研究で、以下のような「うつ病になりやすい性格と素質」があることは指摘されています。これらがベースにあり、環境の変化などのなんらかのストレス要因が加わったときに、うつ病を発症しやすくなるのです。

  • まじめで秩序を重んじ、責任感が強く、他人に過度に気を使ってしまう(メランコリー親和型性格)
  • 几帳面、仕事熱心で凝り性、強い正義感・義務感をもっている
  • 常に全力投球でいくつもの仕事をこなし、競争心が強く、何事にもエネルギッシュ(A型行動パターン)
  • 自己評価がうまくできず、他人の評価を気にして、いつも満たされない気持ちを抱えている
  • 依存的、他罰的、責任転嫁をしやすいなど、未熟な性格

性格や素質は変えられないが、セルフコントロールでストレスを軽減できる

しかし、上記の性格や素質に当てはまるからと言って、必ずしもうつ病を発症するわけではありません。また、同じような状況下で同じようなストレスを受けていても、元気な人と、病気になってしまう人とがいます。

それには、その人の「ものの捉え方」やストレス対処法、生活スタイル、その他のストレス要因の有無、ストレスを和らげてくれるサポーターの有無などがかかわってくるからです。次のようなセルフコントロールに取り組むことで、変えられる部分を変え、ストレスを軽減しましょう。


自分の心や体、行動に現れる「ストレス状態」に早めに気づいて、対策を

なお、強いストレスがかかってもいきなり病気になるわけではありません。自分のストレス状態に早めに気づいて対策をとることも大切です。ストレスは、心や体、行動に現れます(「ストレスは、心と体に影響を及ぼす」参照)。 ストレスがたまっていることに気づいたら、上記の①~④に取り組み、それでも解消できなければ、心療内科や精神科、カウンセラーなどの心の専門家に相談しましょう。

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 (医学博士 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長
神奈川産業保健総合支援センター相談員 埼玉学園大学大学院客員教授)
1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。