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禁煙と検診受診で子宮頸がん対策。40歳代以降は子宮体がんにも注意

禁煙と検診受診で子宮頸がん対策。40歳代以降は子宮体がんにも注意

子宮がんは、女性がかかるがんの中で5番目に多いがんです。子宮頸がんと子宮体がんの2つに大別され、両者では発生しやすい年代や症状の現れ方などが異なるので、正しく理解しておきましょう。それぞれ有効な予防法を実践すると同時に、子宮頸がんに対しては定期的に検診を受けるなど、早期発見・早期治療を心がけることが大切です。

子宮頸がんと子宮体がんでは発生しやすい年代も違う

子宮がんには、子宮頸がんと子宮体がんがあり、子宮頸がんは20代後半から40代に多く発生します。一方、子宮体がんは40代から増え始め、50~60代の閉経前後で発生のピークを迎えます。

子宮は、中が空洞の洋ナシ型をしています。球形に近い形をした胎児が宿る部分を子宮体部、その下の細長い部分を子宮頸部といいます。この子宮頸部から発生するのが子宮頸がんで、多くは子宮の入口付近に発生するため、比較的発見されやすいがんです。それに対し、子宮体がんは子宮の内側にある子宮内膜から発生するがんで、子宮内膜がんとも呼ばれます。

子宮頸がんと子宮体がんは、診断や治療の方法、予後についても異なる点が多いので、両者の違いを正しく理解することが大切です。

子宮頸がんはHPV感染が原因。20歳を過ぎたら2年に1回は検診を

子宮頸がんは、性行為によるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因であることが明らかになっています。性交経験のある女性のほとんどが一生に一度は感染しますが、多くは免疫力によって自然に消滅します。しかし、感染を繰り返し、長期持続的に感染すると、子宮頸がんを引き起こす可能性があります。性体験の早い人、性的パートナーが多い人、他の性感染症にかかっている人などは、HPV感染のリスクが高くなります。また、喫煙も確立したリスク要因です。

子宮頸がんは、20代で発生するケースもあります。また、子宮頸がんの多くは、初期の段階では症状がほとんどありません。そのため、性交経験のある女性は、特に症状がなくても、20歳を過ぎたら2年に1回は細胞診による子宮頸がん検診を受けるようにしましょう。

早期に発見されれば治療効果も高く、経過も良好であるため、早期発見に努めることが重要となります。また、「子宮頸部異形成」という、前がん病変の段階で適切な対応をとることにより、子宮頸がんの予防にもつながる可能性があります。禁煙することに加え、不特定多数との性交渉を避けてHPVの感染を防ぐことも、子宮頸がんの予防に有効です。

ちなみに、HPVにはワクチンがありますが、副反応などの問題が指摘されています。そのため、現在は、定期接種の積極的推奨差し控えの措置がとられています。

津金 昌一郎

監修者 津金 昌一郎 先生 国立がん研究センター 社会と健康研究センター長
1981年慶應義塾大学医学部卒、85年同大学大学院修了。86年より国立がんセンター研究所入所。臨床疫学研究部長などを経て、2003年に同センターがん予防・検診研究センター予防研究部長に就任。その間に米国ハーバード公衆衛生大学院客員研究員を務める。2010年に国立がんセンターの独立行政法人への移行に伴い、国立がん研究センター予防研究部長に就任。2013年から現職。1990年にスタートした国立がん研究センターがん研究開発費による研究班(2009年度までは、厚生労働省がん研究助成金による研究班)による大規模疫学研究である多目的コホート研究の主任研究者を務める。2010年朝日がん大賞、2014年高松宮妃癌研究基金学術賞などを受賞。一般向けの主な書著に『科学的根拠にもとづく最新がん予防法』『がんになる人ならない人』『ボリビアにおける日本人移住者の環境と健康』『なぜ、「がん」になるのか?その予防法教えます。』『食べものとがん~がんを遠ざける食生活~』などがある。昭和大学、山形大学客員教授、日本疫学会理事、日本癌学会評議員などを兼務。