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男性が10年間に大腸がんを発生する確率─5つの危険因子が影響

男性が10年間に大腸がんを発生する確率─5つの危険因子が影響

男性の大腸がんの重要なリスク因子は、年齢、肥満度、身体活動、飲酒、喫煙の5つです。例えば、年齢が同じでも、残り4つの状況により、将来大腸がんになる危険度には差が出ます。国立がん研究センターが開発した「大腸がんリスクチェック」では、10年間に大腸がんを発生する確率を予測できるので、生活習慣を見直すきっかけとして活用しましょう。

リスク因子をもとに、大腸がんになる確率を算出

大腸がんは、男性では胃がん、肺がんに次いで3番目、女性では乳がんに次いで2番目に多いがんです。年齢別にみると、40歳代から増え始め、50歳代で大幅に増加し、高齢になるほど罹患率は高くなる傾向にあります(国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」、地域がん登録全国推計によるがん罹患データ[1975年~2013年]による)。

大腸がんの発生には、生活習慣が大きくかかわっていると考えられています。特に、男性においては、年齢、肥満度、身体活動、飲酒、喫煙の5つが重要なリスク因子であることがわかっています。

そこで、国立がん研究センターでは、男性を対象に、10年間に大腸がんを発生する確率を簡単に算出できるツールを開発しました。それが「大腸がんリスクチェック」です。これは、日本人の生活習慣と、がんをはじめとした生活習慣病との関係について20年間にわたって調査を続け、そこから得られた情報を分析し、誰にでもわかりやすい形にまとめたものです。

簡単な入力で大腸がんのリスクがわかり、アドバイスも受けられる

「大腸がんリスクチェック」では、まず、年齢、身長・体重、喫煙や飲酒、身体活動といった生活習慣についての質問に答えます。その後、診断結果のページへ飛ぶと、これらの条件をもとに、今後10年間に大腸がんになる危険度が割り出されます。それと同時に、現在の生活習慣での問題点、大腸がんのリスクを下げるにはどこを改善したらよいかなどのアドバイスが表示されます。また、同年代の平均値と自身の危険度を比較することもできます。

さらに、次の「リスク軽減シミュレーター」のページは、現在の生活習慣を改善すると大腸がんのリスクがどの程度軽減できるのかをシミュレーションできるものです。BMI(体格指数)や喫煙、飲酒など、項目ごとに数字を変更すると、スケール上の大腸がんリスクの数値が変化し、どれくらいリスクが低くなるのかを視覚的に確認することができます。

津金 昌一郎

監修者 津金 昌一郎 先生 国立がん研究センター 社会と健康研究センター長
1981年慶應義塾大学医学部卒、85年同大学大学院修了。86年より国立がんセンター研究所入所。臨床疫学研究部長などを経て、2003年に同センターがん予防・検診研究センター予防研究部長に就任。その間に米国ハーバード公衆衛生大学院客員研究員を務める。2010年に国立がんセンターの独立行政法人への移行に伴い、国立がん研究センター予防研究部長に就任。2013年から現職。1990年にスタートした国立がん研究センターがん研究開発費による研究班(2009年度までは、厚生労働省がん研究助成金による研究班)による大規模疫学研究である多目的コホート研究の主任研究者を務める。2010年朝日がん大賞、2014年高松宮妃癌研究基金学術賞などを受賞。一般向けの主な書著に『科学的根拠にもとづく最新がん予防法』『がんになる人ならない人』『ボリビアにおける日本人移住者の環境と健康』『なぜ、「がん」になるのか?その予防法教えます。』『食べものとがん~がんを遠ざける食生活~』などがある。昭和大学、山形大学客員教授、日本疫学会理事、日本癌学会評議員などを兼務。