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お口の健康「さしすせそ」

お口の健康「さしすせそ」

 口腔ケアが大切なことはわかっているけれど、具体的に何をしたらいいのだろう
――そんなあなたにぜひ覚えていただきたいのが、“お口の健康「さしすせそ」”です。基本的かつ大切なコツをマスターして、日々の口腔ケアに役立てましょう。

お口の健康づくりの基本を、語呂合わせで覚えよう

 料理の基本の「さしすせそ」をご存知の方は多いことでしょう。「さ:砂糖」「し:塩」「す:酢」「せ:しょうゆ」「そ:みそ」を意味します。これは調味料を入れる順番を覚えるための語呂合わせで、料理の味を決める大切なもの。実はお口の健康づくりにも、ぜひ覚えて実行したい「さしすせそ」があるのです。

さ:さっさと磨く、食べたら磨く

 う蝕(虫歯)の原因となる細菌は、食事に含まれる糖分を分解して酸を出し、歯を溶かします。溶け始めた歯は唾液の作用で修復されますが、歯垢(プラーク)が残っていたり、頻繁に糖分を摂取したりすると唾液による修復が間に合わず、やがてう蝕(虫歯)ができてしまいます。毎食後の歯磨きを習慣づけましょう。

し:歯垢のもとを取り除く

 歯垢(プラーク)は歯の表面に付着した白くてネバネバとした物質で、う蝕(虫歯)や歯周病を引き起こす細菌のすみかです。細菌は食べものの糖分をエサにして増えるので、しっかりと歯磨きをして、歯垢を取り除きましょう。

す:すき間もしっかり磨きましょう

 歯と歯の間のすき間は、とくに歯垢が溜まりやすい部分です。歯ブラシだけでは除去できないので、デンタルフロスや歯間ブラシも使って歯垢を除去しましょう。
 デンタルフロスは、歯と歯の間に入れたら歯の側面をこするように下から上に動かします。歯間ブラシは歯と歯の間に無理なく入るサイズを選び、歯と歯の間で、歯の裏側の歯と歯肉の境目に沿わしてゆっくり2~3mm動かして歯垢を取り除きます。デンタルフロスも歯間ブラシも、使用するときは歯肉を傷つけないように気をつけましょう。歯科医院で使い方を教えてもらうと安心です。

せ:セルフケアとプロケア

 毎日の歯磨き(セルフケア)では、歯ブラシを小刻みに動かして、1本1本歯垢を落としていくことが大切です。しかし、どんなにていねいに磨いても、セルフケアで完ぺきに歯垢を取り除くことは困難です。
 そこで1年に1~2回は、歯科医や歯科衛生士といったお口の健康の「プロ」に、毎日の口腔清掃方法をチェックしてもらい、必要に応じて専用の器具で歯石や歯の根面にしみこんだ毒素を取ってもらいましょう。

そ:その後も定期健診を

 う蝕(虫歯)や歯周病の自覚症状がなくても、かかりつけの歯科医院で、定期的に健診を受けましょう。かかりつけの歯科医院なら過去の診療内容や歯の状態を把握しているので、歯や歯肉(歯ぐき)のわずかな変化も見つけやすくなります。う蝕(虫歯)や歯周病が進行してからでは、治療に時間もお金もかかってしまいます。

*参考:日本歯科医師会発行「歯の学校」

稲垣 幸司 先生

監修者 稲垣 幸司 先生 (愛知学院大学短期大学部歯科衛生学科教授 同大学歯学部歯周病学講座兼担准教授)
愛知学院大学歯学部卒業 同大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)。同大歯学部(歯周病学講座)講師などを経て、ボストン大学歯学部健康政策・健康事業研究講座客員研究員。愛知学院大学歯学部助教授、2007年より現職。日本歯周病学会専門医・指導医、日本禁煙学会専門医、日本歯科保存学会専門医、子どもをタバコから守る会・愛知世話人代表、禁煙心理学研究会世話人、日本小児禁煙研究会理事。アメリカ歯周病学会、国際歯科研究学会、日本歯周病学会、日本禁煙学会、日本骨粗鬆症学会、日本歯科衛生学会など国内外の所属学会多数。歯周病と全身疾患、特に骨粗鬆症や糖尿病との関係や脱タバコ教育、禁煙支援に関する研究などを行う。