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自己流ではNG! 大人の歯磨きのポイント

自己流ではNG! 大人の歯磨きのポイント

1日3回きちんと歯を磨いている人は昔よりも増えていますが、歯周病になる人の割合は減っていないことがわかっています。歯を磨く回数が多くても、正しい方法で磨けていなければ意味がありません。ポイントを押さえた歯磨きで、むし歯や歯周病から歯を守りましょう。

正しいブラッシングで歯垢を取り除く

むし歯や歯周病予防の基本となるのは、歯の表面や、歯と歯の間の汚れを取り除くこと。特に、歯周病菌の温床であるプラーク(歯垢)を取り除くことが重要です。

「そんなことはよく知っているし、ちゃんと1日3回磨いている」という人は多いでしょうが、本人はしっかり磨いているつもりでも、きれいに磨けていないことがほとんどです。

まずは、毎日正しく磨けているか、チェックしてみましょう。

【正しい歯磨き法チェック】
 しっかりした毛先の歯ブラシを使っている
 歯の表面だけでなく、歯と歯ぐきの境目に45度に歯ブラシを当てて磨いている
 磨き残しのないよう、決まった順番で磨いている
 歯間ブラシやデンタルフロスを使っている
 歯科検診と、歯科医師・歯科衛生士によるクリーニング、歯磨き指導を定期的に受けている

チェックがつかなかった項目がある人はもちろん、チェックがついたという人も、以降の解説を読んで、セルフケアを見直しましょう。

腰のしっかりした歯ブラシで、毛先を歯周ポケットに入れるように磨く

正しい歯磨きは、まずは歯ブラシ選びから。
毛先が2~3列で密なもの、しっかりした弾力があり、かつソフトなものを選びましょう。電動歯ブラシを使うのもよいでしょう。
磨くときは歯の表面だけでなく、歯と歯ぐきの境目に45度に歯ブラシを当てます。歯周ポケットに毛先を入れるようにして、1カ所20往復くらい、細かく振動させるように動かすのが大切です。


このとき、以下の順で磨くようにすると、磨き残しが出にくくなります。
最低でも、1日1度はこの方法で磨きましょう。


なお、歯がしっかり磨けているかどうかを確認するためには、2回磨くのがおすすめです。1回目は歯磨き剤をつけずに磨き、舌先で歯の表面に触れてみましょう。ツルツルになっているところはしっかり磨けていますが、ザラザラの部分は磨き残しがあるので、2回目はその部分を重点的に、歯磨き剤をつけて磨きます。

歯間ブラシやデンタルフロスで、すき間の汚れをしっかりと落とす

プラーク(歯垢)のたまりやすい、歯と歯の狭いすき間の汚れは、歯ブラシだけでは取り除けません。歯間が狭い人はデンタルフロスを、歯間が広い人は広さに応じた歯間ブラシを使って、しっかりと汚れを落としましょう(「デンタルフロス&歯間ブラシの適切な使い方をマスターしよう」参照)。

時間がないときや歯を磨けないときは、すすぐだけでも効果的

1日3回、毎食後に磨くのが理想ですが、口の中の汚れがプラーク(歯垢)になるまでは、12時間程度かかるといわれています。
時間がないときや、外出先などで歯を磨けないときは、食後に口をすすぐだけでも効果があります。
ただし、最も細菌が繁殖しやすいのは夜寝ているときなので、寝る前の歯磨きは怠らないようにしましょう。15分から20分くらい時間をかけて、ていねいに磨くのが理想です。

検診や歯面清掃、磨き方の指導を定期的に受けよう

半年から1年に1度、定期的に歯科検診を受け、口の中の状態をチェックしてもらいましょう。
ほとんどの歯科医院で、歯科検診とあわせて歯面清掃、「スケーリング」、「ルートプレーニング」といったクリーニングが受けられ、歯面の清掃と歯石(プラークが唾液中のカルシウムと結合して硬くなったもの)の除去をしてもらうことができます。
また、磨き方の指導も受けられるので、自己流になってしまっていないか確認し、常に正しい方法で歯を磨くようにしましょう。

和泉 雄一 先生

監修者 和泉 雄一 先生 (東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 歯周病学分野 教授)
1979年東京医科歯科大学歯学部卒業、83年同大学院歯学研究科修了(歯学博士)。87年ジュネーブ大学医学部歯学科講師、92年鹿児島大学歯学部歯科保存学講座2助教授、99年同教授を経て、2007年東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科教授(歯周病学分野)。08年東京医科歯科大学歯学部附属病院病院長補佐、14年より東京医科歯科大学副理事、日本歯周病学会理事長。日本の歯周病学・歯周治療学の第一人者。特に、歯周病と全身との関わり、歯周組織再生治療、歯科レーザー治療を専門としており、多数の難治症例を手掛けている。