文字サイズ

1年以上歯医者さんに通っていないあなたは、歯周病予備群!?

1年以上歯医者さんに通っていないあなたは、歯周病予備群!?

体の健康診断については、定期的に受けている人が多いことでしょうが、口の中の健康診断は受けていますか?

自覚症状は何もなくても、生活習慣病(歯周病)が進んでいる恐れがあります。詰めものがゆるんだり、治したつもりのむし歯が広がっているかもしれません。元気な体に定期健診が欠かせないように、いつまでも元気な歯や歯ぐきのためには、歯医者さんに定期的にチェックしてもらうことが大切です。

1本1本の歯の歯周ポケットの深さで歯周病の進み具合をチェック

歯周病は成人が歯をなくす最大の原因です。歯周病菌による炎症反応で、歯ぐきから、その内部の歯をささえる土台(歯槽骨、しそうこつ)までも溶かされ、やがては歯が抜けてしまうのです。しかもこの間、痛みなどの自覚症状はほとんどなく、歯がぐらついてあわてて歯科医院に駆け込んでも手遅れ、となりがちです。歯槽骨の再生治療も普及してきましたが、基本的には一度失われた歯槽骨は取り戻せない、と考えてください。

歯が抜けるのはある程度の年齢になってからですが、その原因となる歯周病は若いころから始まっています。

これを防ぐには、定期健診を受け、歯ぐきをチェックしてもらうことです。歯周病菌の多くは、歯と歯ぐきの境目の溝である歯周ポケットにたまった歯垢にすみついています。歯垢は水に溶けない粘着物で細菌の塊であり、そのままにしていると固まって歯石となります。

そこで、歯周ポケットが深いほど歯周病菌が多く、歯周病が進んでいると判断できることから、健診では1本1本の歯の歯周ポケットの深さを測ることが基本になります。

定期的な健診受診で歯垢を除去できれば歯槽骨が溶け出すのを止められる

歯周ポケットの深さは、細い棒(プロープ)を刺して行います。チクッとしますが、この検査が重要です。この時、出血があれば歯周病が進行中で、歯ぐきに炎症が起こっている証拠です。こんな人は、歯をみがいたときに、歯ぐきから血が出るはずです。

健診では、ブラッシング指導や歯のクリーニング、詰め物の確認、口の中の粘膜の状態の確認なども行います。定期的に歯周ポケットを測ることで、歯周病の進行度合いだけではなく、「正しいブラッシングができているか」「クリーニングで歯垢や歯石はとれたのか」などがわかるのです。

毎日の適切なブラッシングと、健診時の歯のクリーニングで、歯周病菌のすみかである歯垢・歯石が除去できれば歯槽骨が溶けるのを止められます。そのためにも定期的に健診(クリーニング)を受け続けましょう。

以上のような健診を少なくとも半年に1回は受けるのがよいでしょう。歯ぐきから血が出ているような場合は3~4カ月に1回、歯ぐきがたれ下がり、歯の根元が見えているような場合は毎月受けるのが理想的とされています。

いつまでも「好きなものが食べられる生活」のための「投資」

歯科健診の費用は1回3,000~4,000円(健康保険適用外)が平均的とされていますが、検査などによって異なる場合があります。検査の内容と費用を事前に確認してから受けるようにしてください。

通常の受診より高額の負担となりますが、将来、歯をなくしたり、よく噛めなくなって失われる「好きなものが食べられる生活」を確保するための「投資」と考えてみてはどうでしょう。また、むし歯や歯周病などが重症化してから治療を始めれば、治療費が高くつくことになり、生涯の医療費で考えれば、健診を受けたほうがおトクということになるでしょう。

佐瀬 聡良 先生

監修者 佐瀬 聡良 先生 (佐瀬歯科医院 院長) 1984年日本大学松戸歯学部卒業。89年千葉県千葉市に佐瀬歯科医院を開院し、現職。2004年より日本大学松戸歯学部歯周治療学講座非常勤医局員も兼務。「臨床家のための実践ペリオセミナー」「歯科衛生士のための実践ペリオセミナー」講師なども務める。日本歯周病学会専門医、日本臨床歯周病学会認定医・指導医、米国歯周病学会会員。