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歯の噛み合わせが悪いと、どんな影響があるの?

歯の噛み合わせが悪いと、どんな影響があるの?

上下の歯を合わせたとき、奥歯も前歯もすべての歯が同時に接触するのが、正常な「噛み合わせ」です。噛み合わせの悪さは、口の中や周辺はもちろん、全身のあちこちに悪影響を及ぼす恐れがあると考えられています。長年、悩まされている不快な症状は、もしかしたら噛み合わせの悪さからきているのかもしれません。

歯がないところや未治療のむし歯を避けて噛む習慣で、噛み合わせにズレ

歯が抜けたままになっている、あるいはむし歯がそのままになっていたりすると、そこを避けるようにして噛むために噛み合わせにズレが生じます。これに歯ぎしりや食いしばりのクセが加わると、いっそうズレが大きくなります。よく噛まない食習慣などによる、咀しゃくにかかわるあごの筋肉の弱さなども、噛み合わせの悪さの一因となります。

噛み合わせの悪い人に共通してみられる症状などは以下の通りです。あてはまる項目が多いほど、噛み合わせが悪くなっている可能性がある、といえます。まず、今の「噛み合わせ」をチェックしてみましょう。

「噛み合わせの悪さ」のセルフチェック

歯が抜けたままになっているところがある
治療していないむし歯、詰め物がとれたままのむし虫歯がある
食べ物を片側で噛むクセがある
(気がつくといつも同じほうの歯で噛んでいる)
食事のたびに、あるいはかたいものを食べたとき、あごが疲れる
口を大きく開きづらい(とくに朝、起床直後)
口を大きく開こうとすると痛む、カクッ(コキッ)と音がする、あごがはずれる感じがする
「寝ている間に歯ぎしりをしている」と言われたことがある
日中、気がつくと、歯を食いしばっていることがある
ほうれい線の出方や口角(口の両隅)の位置など、口の周辺を中心に左右対称ではない
片方の肩が下がったりして、頭や体全体が傾いている

顎関節症や、歯が痛む・しみる、食べ物がはさまるなどの原因にも

噛み合わせの悪さが最も影響しやすいのは、あごの関節がズレて、口が開けづらくなったり、疼痛を伴うことがある顎関節(がくかんせつ)症です。食いしばり・歯ぎしりの習慣や精神的なストレスなどとともに、噛み合わせの悪さは顎関節症の原因の一つとされています。

また、噛み合わせの悪さから、歯の一部に過度な力が加わるようになり、歯がすり減ったり痛む、知覚過敏、歯の間に食べ物がよくはさまる、といった症状がみられるようになることがあります。むし歯を治療してもこれらの症状がある場合、噛み合わせを調整する治療でおさまるケースもあります。

歯への過度な力は、歯を支える土台にとっても負担となり、歯周病を悪化させやすくします。歯周病治療と同時に噛み合わせの調整を行うと、治療が進みやすくなります。

このほか、噛み方がずれるために、食事中にほおの内側や舌、唇などを噛みやすくなり、口内炎を起こしやすくなる場合もあります。

佐瀬 聡良 先生

監修者 佐瀬 聡良 先生 (佐瀬歯科医院 院長) 1984年日本大学松戸歯学部卒業。89年千葉県千葉市に佐瀬歯科医院を開院し、現職。2004年より日本大学松戸歯学部歯周治療学講座非常勤医局員も兼務。「臨床家のための実践ペリオセミナー」「歯科衛生士のための実践ペリオセミナー」講師なども務める。日本歯周病学会専門医、日本臨床歯周病学会認定医・指導医、米国歯周病学会会員。