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乳児期は、歯のないころから口腔ケアの習慣づけを始めましょう

乳児期は、歯のないころから口腔ケアの習慣づけを始めましょう

歯が生えていない時期はもちろん、下の前歯だけのころはまだ、とくに口の手入れは不要とされています。しかし、歯みがきが必要になってから始めても、赤ちゃんが嫌がったりしてスムーズに進まず習慣づけができません。歯が生える前から慣れさせ、歯みがきへ移行していくことが大切です。乳児期の口腔ケアのポイントをよく知っておきましょう。

口の手入れの習慣づけは、歯が生える前から始める

1歳半の健診を受けた子どものうち2~5%に、むし歯が見つかるといわれています。口の中にむし歯菌が定着し、甘い飲みものをとるようになり、むし歯ができる条件がそろってくるのです。前歯だけのころはつい放置してしまい、奥歯が生えてきてから、あわてて口の手入れの習慣を身につけさせようとしても、すぐに身につくものではありません。乳児の口腔ケアは、歯が生え始める前の準備段階から始めるのがおすすめです。

この時期は何でも口へもっていき、なめたりしゃぶったりしたがる時期でもあります。このような口への刺激は、口のまわりの過敏さをとったりすると同時に、歯ブラシを使いやすくする、とも考えられています。

歯が生える時期が近づいたら、清潔にした指で口の中を触ってあげましょう。歯の生え具合を確認できるだけでなく、歯みがきの第一段階として、口の中をガーゼでふいてあげる「ガーゼみがき」に慣れさせる効果もあります。

唾液が届きにくい上の前歯が生えてきたら、「慣れる」ための歯みがきへ

生後6~8カ月になると、一般的には下の前歯から生えてきます。何でも口にもってくることで唾液分泌が促されて汚れが洗い流されるため、歯ブラシは不要と考えられています。離乳食の後などには、湯ざましを飲ませたり、ガーゼみがきをするくらいで問題ありません。

ただし、歯ブラシに慣れさせるために、子ども用歯ブラシ(のど突き防止カバーなどの安全対策が施されたもの)を用意しておくとよいでしょう。赤ちゃんが歯ブラシを口にもっていこうとしたら、危険のないように見守ってあげてください。大人がみがいているところを見せるのもよいでしょう。

10カ月ごろには上の前歯も生えてきますが、上は唾液が届きにくいこともあり、そろそろ歯みがき習慣が必要になってきます。夕食後などの機嫌のよさそうなときを見計らってみがいてあげましょう。きちんとみがくというより、歯みがきに慣れること、歯みがきは楽しいと思えることに重点をおき、声をかけながら、手速くみがきます。嫌がらないように、ゴシゴシみがきは禁物。また、上の前歯をみがくとき、上唇を上げると痛みを感じることがあるので注意が必要です。

佐瀬 聡良 先生

監修者 佐瀬 聡良 先生 (佐瀬歯科医院 院長) 1984年日本大学松戸歯学部卒業。89年千葉県千葉市に佐瀬歯科医院を開院し、現職。2004年より日本大学松戸歯学部歯周治療学講座非常勤医局員も兼務。「臨床家のための実践ペリオセミナー」「歯科衛生士のための実践ペリオセミナー」講師なども務める。日本歯周病学会専門医、日本臨床歯周病学会認定医・指導医、米国歯周病学会会員。