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歯を失う最大原因の「歯周病」をよく知って、予防・改善は早めに

歯を失う最大原因の「歯周病」をよく知って、予防・改善は早めに

成人期の口腔ケアで最も気をつけたいのは、やはり歯周病です。成人が歯を失う最大の原因であり、40代以上では大半の人が歯周病か、その疑いがあるといわれています。実際に自分の歯を失い始めるのは多くの場合50代以降ですが、その主な原因である歯周病は20~30代から始まっています。歯周病について理解を深め、少しでも早くから予防や改善のポイントを身につけましょう。

歯周病の原因はプラーク(歯周病菌)。歯肉炎から始まり歯の土台を破壊する

歯の周りの歯肉(歯ぐき)、歯肉の中の歯の根、歯が植わっている骨である歯槽骨(しそうこつ)、歯の根と歯槽骨の間にあって両者をつないでいる歯根膜(しこんまく)。これらが歯周組織であり、ここに起こる病気の総称が歯周疾患、すなわち歯周病です。

歯ぐきの炎症(歯肉炎)から始まり、徐々に炎症が歯肉の深部に進み、歯の土台である歯槽骨や歯根膜を破壊し(歯周炎)、さらに進むと、土台がなくなった歯が抜けていくことになります。

歯周病の始まりである歯ぐきの炎症を引き起こすのはプラーク(歯垢・しこう)であることがはっきりしています。プラークは口の中にすみついている細菌である歯周病菌と、その産生物でできており、歯や歯ぐき、その境目などに沈着しています。歯石(しせき)はプラークが石灰化したものであり、歯と歯ぐきの境目などにより強く沈着しています。

中高年の歯周病検診で「異常なし」は10%だけ、半数以上は「進んだ歯周病」

各自治体が40~70代を対象に実施した歯周疾患(歯周病)の検診結果によると、「異常なし」はどの年代も約10%だけ。約90%の人が精密検査や歯周病の指導を受けることが必要とされました(厚生労働省「平成27年度地域保健・健康増進事業報告の概況」)。

また、セルフケアでは対処できず、歯科での治療が必要なほど進んだ歯周病の人の割合は、どの年齢層でも年々増えており、2016年時点では25~34歳でも約32%、35~54歳では半数近く、それ以上の年齢層では半数以上を占めています(厚生労働省「平成28年歯科疾患実態調査」)。

そして、「歯を失った原因が歯周病」という人の割合でも、45~54歳では半数近く、それ以上の年齢層の人では半数以上であり、成人全体では歯周病が歯を失う最大の原因となっているのが現状です(8020推進財団「永久歯の抜歯原因調査報告書」2005年)。

佐瀬 聡良 先生

監修者 佐瀬 聡良 先生 (佐瀬歯科医院 院長) 1984年日本大学松戸歯学部卒業。89年千葉県千葉市に佐瀬歯科医院を開院し、現職。2004年より日本大学松戸歯学部歯周治療学講座非常勤医局員も兼務。「臨床家のための実践ペリオセミナー」「歯科衛生士のための実践ペリオセミナー」講師なども務める。日本歯周病学会専門医、日本臨床歯周病学会認定医・指導医、米国歯周病学会会員。