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骨粗しょう症の人は歯周病も危ない! どちらもしっかりと予防を

骨粗しょう症の人は歯周病も危ない! どちらもしっかりと予防を

骨がスカスカになる骨粗しょう症と、歯を失う恐れのある歯周病。一見、まったく別の病気のようですが、密接につながっている可能性があることがわかってきました。特に女性は更年期以降、骨粗しょう症のリスクが高まることが明らかであり、骨粗しょう症も歯周病も、一緒に予防する生活習慣を身につけることが大切です。

骨粗しょう症があると、歯を支える歯槽骨もスカスカになっている恐れが

歯と骨は外見は似ていますが、歯そのものと骨はまったく別物です。ただし、土台となって歯を支えているのは、歯肉(歯ぐき)の中にある歯槽骨(しそうこつ)という骨です。歯槽骨はあごの骨につながっており、これらの骨を通じて、骨と歯の健康は密接につながっています。

例えば、全身で骨粗しょう症が進むと、あごの骨や歯槽骨でも骨密度が低下します。また、歯周病が進むと、歯周病菌の感染に伴う炎症が歯肉にとどまらず、その内部にある歯槽骨にまで及ぶため、歯槽骨が溶けて破壊されます。これに歯槽骨の骨密度の低下が加わると、歯周病が悪化しやすくなる、と考えられています。

骨粗しょう症は主に腰椎の骨密度によって診断され、腰椎の骨密度とあごの骨密度はよく関連していることがわかっています。骨粗しょう症と診断されたら、あごの骨や歯槽骨も内部がスカスカになっているかもしれません。

一方、歯周病などがない健康な歯を多くもっている女性ほど、閉経後に骨粗しょう症になりにくいとの報告があります。これは、噛む力が維持されているために、より多様な食品を食べることができ、骨づくりに必要な栄養素などをとり入れやすく、吸収しやすくなっていることが一因であるとされています。

歯を失う最大原因の歯周病の有無や、歯の健康度が、骨粗しょう症の悪化にかかわっていることを忘れないでください。

栄養バランスのとれた適量の食事と有酸素運動、適切なブラッシング習慣を

骨粗しょう症も歯周病も一緒に予防するためには、若いうちから以下のような、骨づくりに有効な栄養摂取と、歯周病を防ぐ口内環境づくりに気をつけることが大切です。

・骨の材料になるカルシウムやたんぱく質、ビタミンD、ビタミンKなどを含め、栄養バランスのよい食事を適量とりましょう。

・ウオーキングなどの適度な有酸素運動を習慣づけましょう。さらに、骨に少し負荷がかかる程度の軽い筋トレを加えると骨粗しょう症予防に効果的です。

・毎日の適切なブラッシング習慣を。「食べたら磨く」を基本に、1日1回(とくに就寝前)は時間をかけてていねいに磨くようにしましょう。

・たばこを吸っている人は禁煙をしましょう。たばこは骨粗しょう症のリスクも歯周病のリスクも高めます。

佐瀬 聡良 先生

監修者 佐瀬 聡良 先生 (佐瀬歯科医院 院長) 1984年日本大学松戸歯学部卒業。89年千葉県千葉市に佐瀬歯科医院を開院し、現職。2004年より日本大学松戸歯学部歯周治療学講座非常勤医局員も兼務。「臨床家のための実践ペリオセミナー」「歯科衛生士のための実践ペリオセミナー」講師なども務める。日本歯周病学会専門医、日本臨床歯周病学会認定医・指導医、米国歯周病学会会員。