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上あごの奥歯の痛みは「鼻(副鼻腔炎)」が原因かも?

上あごの奥歯の痛みは「鼻(副鼻腔炎)」が原因かも?

痛む歯が上あごの奥歯なら、その原因は、鼻の異常の場合もあります。かぜをひいたりして鼻の奥にある空洞に炎症が起こると、その近くに位置する上あごの奥歯が痛む可能性があるのです。反対に、むし歯や歯周病が進行して、鼻の奥に炎症が起こることもあります。歯や歯茎などの口の中だけでなく、その周辺も含めたケアが大切です。

かぜなどで副鼻腔に炎症が起こり、たまった粘液が歯の根を圧迫して痛む

鼻の奥にあって、上あごやほおに囲まれた空洞である副鼻腔(ふくびくう)に炎症が起こった状態が副鼻腔炎です。一般的には蓄膿症(ちくのうしょう)としてよく知られています。

副鼻腔はいくつかに分かれており、上あごに近い空洞を上顎洞(じょうがくどう)といい、ここに炎症が起こると上あごの奥歯が痛みやすくなります。目の奥や鼻の横あたりが痛い、圧迫感がある、違和感がある、などと感じる場合もあります。

副鼻腔は健康な状態なら、空気が入っているだけのただの空洞です。それが、かぜをひいたりして副鼻腔炎になり、膿(うみ)のような粘性の強い鼻水で満たされるようになると、副鼻腔に突き出ている歯の根を圧迫して、痛みをもたらします。これは、歯以外が原因で起こる歯の痛み=「非歯原性歯痛」のひとつで、上顎洞性歯痛と呼ばれています。

ズキズキ痛む、歯が浮いた感じがする、おじぎで頭や額が痛むなどが特徴

これらの副鼻腔炎による歯の痛みの場合、「痛み方」に次のような特徴があるといわれています。

●副鼻腔炎で歯が痛むときの痛み方の特徴
左右片側の、上あごの複数の奥歯が痛むことがある
食べ物を噛んでいないときも含めて、いつもズキズキと痛む
ものを噛んだときはいっそう痛む
歯が「浮いた」感じがする

また、鼻水や頭痛を伴うほか、副鼻腔を軽く叩くと痛む、姿勢を変えると(特におじぎをしたりかがんだりといった頭を下げたときに)頭や額が痛む、鼻の奥や口の中から悪臭がする、といった場合も、副鼻腔炎が疑われます。

副鼻腔炎による歯の痛みは、耳鼻咽喉科で抗菌薬の投与などの治療を受ければ、通常1週間ほどで治まってきます。

佐瀬 聡良 先生

監修者 佐瀬 聡良 先生 (佐瀬歯科医院 院長) 1984年日本大学松戸歯学部卒業。89年千葉県千葉市に佐瀬歯科医院を開院し、現職。2004年より日本大学松戸歯学部歯周治療学講座非常勤医局員も兼務。「臨床家のための実践ペリオセミナー」「歯科衛生士のための実践ペリオセミナー」講師なども務める。日本歯周病学会専門医、日本臨床歯周病学会認定医・指導医、米国歯周病学会会員。