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原因が思い当たらないのに、舌がピリピリと痛む「舌痛症」

原因が思い当たらないのに、舌がピリピリと痛む「舌痛症」

 舌のヘりや先端部分に、ピリピリとした痛みを繰り返し感じる「舌痛症」。特に更年期の女性に多くみられるようです。痛みの原因になるような異常は見当たらないのが特徴であり、ストレスをはじめ心身の不調が舌の痛みとして現れている場合もあります。

痛みが1日2時間以上、3カ月以上繰り返す。女性の患者は男性の8~10倍

舌がヒリヒリ、ピリピリする痛みや、カーッとする灼熱感が長期間続く。しかし、舌に外見上の異常はなく、検査でも異常が見つからないのが「舌痛症」です。長期間とは、「1日2時間以上で3カ月以上にわたって連日繰り返すもの」(国際頭痛分類第3版)が目安になります。

舌痛症は女性に多く、男性の8~10倍とされています。特に更年期の女性に多く発症し、閉経後の女性は12~18%が舌痛症ともいわれていますが、痛みは本人にしかわからず、周囲に理解してもらいにくい面があります。

舌以外にも、ほおの粘膜や唇など、口の中の広い範囲で舌痛症と同じ痛みがみられる場合は「口腔灼熱症候群」と呼ばれます。

舌の両側、表層部分が痛む。心理・社会的なストレスとの密接な関係も

舌痛症で痛むのは一般的に舌の両側であり、舌の先端からへりにかけて痛みます。舌の上や歯肉、唇などが痛む場合もあります。どこも痛むのは表層部分(粘膜)です。食事では特に刺激物がとりづらくなります。

痛みは終日続くものの、痛みの強さには波があり、四六時中痛むわけではありません。ただし、日常生活に支障が出るほど重症化する場合があります。

また、舌の痛みは心理・社会的なストレスと密接な関係があるとされ、最近では痛みの伝達や知覚にかかわる神経回路の障害も一因とも考えられるようになってきました。不安感や抑うつ感で痛みが増したり、睡眠障害につながることもあります。

佐瀬 聡良 先生

監修者 佐瀬 聡良 先生 (佐瀬歯科医院 院長) 1984年日本大学松戸歯学部卒業。89年千葉県千葉市に佐瀬歯科医院を開院し、現職。2004年より日本大学松戸歯学部歯周治療学講座非常勤医局員も兼務。「臨床家のための実践ペリオセミナー」「歯科衛生士のための実践ペリオセミナー」講師なども務める。日本歯周病学会専門医、日本臨床歯周病学会認定医・指導医、米国歯周病学会会員。