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【はじめに】 歯を健康に保つことが、全身の健康につながります

ちゃんと上下に動かしてる? デンタルフロスは正しく使おう

口腔(こうくう)機能には、「咀嚼(噛んで食べる)」、「嚥下(飲み込む)」、「味覚(味を感じて知る)」、「唾液(消化を助ける)」、「構音(発音する)」、「顔貌(顔を整える)」の6つがあり、口腔機能の維持は日常生活全体にかかわります。

そのため、外傷や「う蝕(虫歯)」、歯周病によって、歯を失ったり口腔機能が低下することは、全身の健康状態や寿命に影響します。

特に歯周病は、日本人の約7割がかかっているとされ、歯が抜ける原因の第1位にもなっています。初期には痛みや症状が出にくいため、放置してしまう人が多いと考えられますが、歯周病は口の中だけでなく、全身の病気と深くかかわっています。

歯周病菌や炎症物質が血中に入り込むことで、脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病、誤嚥性肺炎、妊娠中の女性の早産・低体重児出産など、さまざまな病気を悪化させる恐れがあるのです。

初期の歯周病は、ブラッシングなどのセルフケアで改善できるので、まずは正しい方法で毎日しっかり歯を磨き、歯周病を予防することが大切。進行してしまったら、早めに医療機関で治療を行いましょう。

当コーナーでは、歯周病の基礎知識や正しいセルフケア方法のほか、歯周病が進行してしまったときの最新の「再生治療」など、歯を失わないためのさまざまな情報を解説します。

和泉 雄一 先生

監修者 和泉 雄一 先生 (東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 歯周病学分野 教授)
1979年東京医科歯科大学歯学部卒業、83年同大学院歯学研究科修了(歯学博士)。87年ジュネーブ大学医学部歯学科講師、92年鹿児島大学歯学部歯科保存学講座2助教授、99年同教授を経て、2007年東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科教授(歯周病学分野)。08年東京医科歯科大学歯学部附属病院病院長補佐、14年より東京医科歯科大学副理事、日本歯周病学会理事長。日本の歯周病学・歯周治療学の第一人者。特に、歯周病と全身との関わり、歯周組織再生治療、歯科レーザー治療を専門としており、多数の難治症例を手掛けている。