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いざというとき、心肺蘇生とAEDで救える命があります

いざというとき、心肺蘇生とAEDで救える命があります

心肺蘇生で救命率が2倍、AEDも加えれば6倍以上に

もしも目の前で人が倒れたら、あるいは倒れた人を見かけたら、みなさんはどうしますか。万一、倒れた人の心臓が止まっていた場合、周囲の人が少しでも早く心肺蘇生を行い、AED(自動体外式除細動器)を使うことで、命を救える可能性が格段に上がります。

平成26年に一般市民が目撃した、心臓の止まった(心原性心肺機能停止の)人は2万5255人。この半分以上の1万3679人に対して一般市民が心肺蘇生を行い、このうち1030人にはAEDも併せて実施しました。その結果、倒れた人が1カ月後に生存していた割合は、何も実施しなかったケースの8%に対し、心肺蘇生だけでも行えば約2倍の15%、AEDも使えば50%と6倍以上になっていました(総務省消防庁「平成27年版 救急・救助の現況」による)。みなさんの、ちょっとした“勇気”で、救える命が6倍以上にも増えるのです。

とにかく胸部中央をプッシュ(胸骨圧迫)、(AEDのボタンを)プッシュ

心肺蘇生というと、胸部の中央を真上から圧迫する胸骨圧迫のほか、口から口へ息を吹き込む人工呼吸を思い浮かべる人も多いことでしょう。しかし、一般市民が心肺蘇生を行う場合、胸骨圧迫だけでも、人工呼吸を加えた場合と同じか、それ以上の救命効果(生存退院率)が得られることが明らかにされています。

さらに、AEDも使えば、前述のように「救える命」がもっと増えます。そこで、日本循環器学会では、心停止からの救命の際には「コール」(一刻も早い119番通報とAED要請)&「プッシュ」(胸骨圧迫とAEDの通電ボタンを押すこと)を呼びかけています。

ポイントを知れば一般の人でもスムーズに行える。講習を受けておくと安心

倒れて意識がない人に対しては、まず、声をかけたり肩をたたいたりして、反応の有無を確認します。反応があっても、はっきりしなかったり、けいれんなどの不自然な動きがある場合には、周囲に応援を呼び掛け、119番に通報し、AEDの手配をします。こんなときのために、身近な場所の周辺のAED設置場所をチェックしておくとよいでしょう(日本救急医療財団の「全国AEDマップ」を参考にしてください)。

次に、鼻や口のほか、胸や腹の動きにも注意して呼吸を確認します。「息苦しそうだ」「いびきのようだ」といった異常な呼吸も含め、通常の呼吸以外なら、すぐに胸骨圧迫を始めます。胸骨圧迫は胸のまん中を「胸骨が5cmほど沈むくらいの強度」「1分間に100~120回のテンポ」で押すことになっています。これらは一般的な体力の人にとっては、「より強く、より速く」押すくらいの感覚です。

AEDが到着したら、すぐに電源を入れます。その後の使い方は、AEDの音声ガイダンスに従います。除細動(電気ショック)が必要かどうかもAEDが心電図をとって判断します。除細動器を行うためのボタンを押す際は、倒れた人から離れる必要がありますが、それ以外は胸骨圧迫を続けます。

心肺蘇生法の詳細は、以下のページで解説されているほか、日本循環器学会などが作った、心肺蘇生の手順やAEDの使用方法が学べるゲーム「心止村湯けむり事件簿」もあります。また、消防署や日本赤十字社による講習会も全国で行われているので、手順を知っておき、いざというときに備えましょう。