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「はしか」の感染拡大! 子も親も、ワクチン接種の確認を

「はしか」の感染拡大! 子も親も、ワクチン接種の確認を

麻しんウイルスは空気感染。感染力はインフルエンザウイルスの10倍!

2016年9月末現在、海外からの帰国者が持ち込んだとみられる「はしか(麻しん)」の感染拡大が続いています。

感染拡大の大きな原因は、はしかの原因となる麻しんウイルスが、「空気感染」することです。インフルエンザなどは、患者さんのせきなどで飛び出たウイルスを含むしぶきを吸い込むことで感染する「飛沫(ひまつ)感染」で、しぶきの落下する範囲にいなければ感染することはありません。しかし、麻しんウイルスは、しぶきの水分が落ちてウイルスだけになった状態でも長期間空気中に浮遊するため、患者さんが立ち去った後でも、同じ空間に立ち入ると感染する可能性があります。手洗いやマスクの着用だけでは防ぎきれません。

感染力も強く、1人の患者さんが感染させる人数は、インフルエンザの1~2人に対して、はしかは12~18人といわれています。そのため、ひとたび感染者が出るとあっという間に感染が広がってしまうのです。

免疫がなければ、ほぼ100%発症。合併症を起こして重症化することも

はしかは、ウイルスに感染した約10日後から、38℃くらいの熱やせき、のどの痛み、鼻水といったかぜのような症状が現れ、2~4日続きます。その後、熱は39℃以上となり、発しんも出ますが、一般的には症状が出始めてから1週間から10日で回復します。

多くの感染症の場合は、感染しても発症せずにすむことがありますが、はしかは、免疫をもっていない人が感染すると、ほぼ100%発症します。特効薬がなく、合併症を起こして重症化すると命にかかわるケースもあるため、注意が必要です。肺炎や脳炎、中耳炎、クループ症候群(のどの炎症からゼイゼイしたり呼吸困難を起こす)、心筋炎などが主な合併症で、中耳炎は患者100人中7~9人、肺炎は100人中1~6人、脳炎は1000人に1人と、比較的高確率で発症します。

また、発しんや高熱などの重い症状が出る前が最も感染力が強く、症状が出始める1日前から感染させる危険性があることから、「かぜかな」とようすをみている間にうつしてしまいがちです。感染が疑われる場合は、まずマスクを着用してください。マスクで感染は防げませんが、人にうつすことを抑える効果は期待できます。

受診の際には、あらかじめかかりつけ医や最寄りの保健所に連絡し、はしかの可能性があることを伝えたうえで、受診方法の指示を受けてください。

今の20歳代半ばから30歳代は、はしかに対する免疫が低い恐れも

感染予防と、流行拡大抑制のために、定期予防接種の対象になっている子どもは早めに予防接種を受けましょう。はしかの定期予防接種は、原則として風しんとの混合ワクチン(MRワクチン)を、「1歳以上2歳未満」「5歳から7歳未満で小学校就学前1年間」の2回接種することになっています。

そのほか大人も含めて、「はしかにかかったことがなく、ワクチン接種を1回も受けたことがないか、それらが不明の人」は、ワクチン接種についてかかりつけ医に相談することがすすめられます。今の20歳代半ばから30歳代(26~39歳)の人は、定期予防接種が1回だけで、しかも接種率が低いことがわかっており、はしかに対する免疫が低い恐れがあります。特に周囲に乳幼児がいる人は、はしかの予防接種を検討したほうがよいでしょう(2016年9月末現在は、ワクチン不足により「ワクチン接種は子ども優先」とされています)。