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ノロウイルス、ロタウイルス…感染性胃腸炎の重症化、感染拡大を防ごう

ノロウイルス、ロタウイルス…感染性胃腸炎の重症化、感染拡大を防ごう

ロタウイルスは冬の後半から春に流行しやすい

昨年(2016年)秋以降、感染性胃腸炎の流行が続いています。感染性胃腸炎は、さまざまなウイルスや細菌などが原因で起こりますが、ノロウイルスによる胃腸炎は冬の前半に、後半から春にかけてはロタウイルスによる胃腸炎が流行しやすいといわれています。どちらも激しい下痢や嘔吐(おうと)から脱水を起こしやすく、腹痛や発熱なども伴いがちです。

これらの感染症を発症しやすく、重症化しがちな乳幼児や高齢者がいる家庭では、こまめな手洗いや食品の十分な加熱などで予防を心がける(「食中毒が心配な夏の心得」参照)のはもちろん、万が一家族が発症した場合の対処法をチェックしておきましょう。

水分を少しずつこまめにとり、それでも「脱水」の兆候なら受診を

ノロウイルスやロタウイルスによる胃腸炎には特効薬はありません。医療機関で吐き気止めや整腸剤が処方されたら、医師の指示通りに用いながら、自然に治るのを待つしかありません。一般的には1週間ほどかかるとされています。

家庭では、脱水による重症化を防ぐため、スポーツドリンクや経口補水液などで水分補給を行いましょう。とはいえ、一気に大量に水分をとると、嘔吐を繰り返してしまうことがあるため、少しずつ、こまめにとるのがポイントです。

「尿の量や回数は?」「食欲は?」「唇や口の中が乾いていないか?」「おなかなど肌がシワシワになっていないか?」などをチェックし、それらの脱水の兆候があるときや、けいれんがみられる、ぐったりしているといった場合は、すぐに受診してください。

なお、乳児に対しては、ロタウイルスワクチンの予防接種があり、発症や重症化の予防に効果があります(任意接種)。かかりつけ医に相談してみましょう。

ウイルスが付着した恐れのある箇所をていねいに消毒

家庭内で感染性胃腸炎を広げないためには、以下のような点に気をつけて、ウイルスが付着している可能性のあるところをていねいに消毒しましょう。

  • 消毒には次亜塩素系漂白剤を使用する
    ノロウイルスもロタウイルスも強い感染力をもっており、アルコールでは消毒できないので、次亜塩素系漂白剤を使った消毒液(厚生労働省のリーフレット 参照)を使用します。
  • 消毒の際には、できるだけ肌の露出部分を小さく
    ウイルスの付着を防ぐため、消毒後は捨てられるエプロンや割烹着、ビニールなどの使い捨ての手袋、マスクをつけましょう。ゴーグルも着用するとよいでしょう。
  • 換気をしながら、吐いたものや便を処理
    窓を開け、換気扇を回して、まず、吐いたものや便などの汚物を処理します。汚物中のウイルスは空中に浮遊して広がるため、ペーパータオルなどをかぶせて拭き取り、ポリ袋などに密閉しましょう。
  • 広範囲をていねいに消毒。リネンや衣類には熱水洗濯や高温殺菌も有効
    浮遊したウイルスの付着の恐れも考え、床や壁、カーテン、ドアノブなども含めて、ていねいに消毒します。ふとんやシーツなどのリネン、衣類は、付着した汚物中のウイルスが飛び散らないように処理した後、密閉したポリ袋などに入れ、洗剤を溶かした水で静かにもみ洗いします。次亜塩素酸ナトリウムの消毒液による漂白が気になるときは、85度以上の熱水で1分間以上洗濯し、十分すすぎましょう。その後、高温の乾燥機やアイロンを使うと殺菌効果が高まります。
  • トイレはとくに念入りに
    念入りに消毒するのはもちろん、汚物を流したり患者さんが使用したりする際は、フタをしてから流すようにし、定期的に換気しましょう。

また、ウイルスに汚染されたものや清掃用具など、捨てるものはポリ袋に入れ、消毒液をかけてから密閉して捨てます。また、入浴は患者さんを最後にし、浴槽や洗い場、洗面器などをすべて消毒します。食器も消毒液につけおきしてから洗いましょう。

消毒に加えて、患者さんと家族の居室を分ける、石けんでの手洗いの励行、手ふきタオルは患者さん専用にしたり、ペーパータオルで使い捨てにする、下痢や嘔吐がある人は調理をしない、といった配慮も、感染性胃腸炎の感染拡大の防止には大切です。