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野菜と間違えて採取し、食中毒…身近にある「有毒植物」の危険

野菜と間違えて採取し、食中毒…身近にある「有毒植物」の危険

有毒植物による食中毒は4月・5月に多発

暖かくなるにつれ、家庭菜園の野菜やハーブが食べごろになり、野山には山菜や野草も。春は、普段は口にすることが少ない野菜や山菜などを食べる人が増え、同時に間違って有毒植物を食べて食中毒を起こす人も多くなります。

過去10年間(2006~15年)の厚生労働省の統計をもとに、消費者庁がまとめた「有毒植物による食中毒」の月別累計発生件数によると、4月と5月は30~40件台と、他の月の3倍以上になっています。

有毒植物による食中毒のなかには、おう吐や下痢などにとどまらず、命にかかわるケースもあります。これからの季節は、有毒植物に特に注意が必要です。

スイセンはニラと間違えやすく、じゃがいもは緑色の皮も危険。ギョウジャニンニクに似た植物にも注意

前述の食中毒の発生件数のなかでも、件数の多い植物について、以下に注意点をまとめました。

  • 家庭菜園で気をつけたいもの

    ・スイセン:葉はニラ、球根部分は玉ねぎに似ているが、有毒成分を含んでいる。花が散ると、いっそうニラと間違えやすいので要注意。両者をまったく別の場所で栽培するか、区別がはっきりしない場合は食べないようにする。スイセンにはニラのような強い臭いはなく、全体的にニラよりも大きく、茎が太く、葉の幅が広めで厚みがある点が区別のポイント。

    ・イヌサフラン(コルチカム):球根はじゃがいも、葉はギョウジャニンニクに似ているが、死亡例も出るほど毒性が強い。食べるつもりなら「食用」を栽培し、それ以外の鑑賞用などは食べないようにする。

    ・じゃがいも:有毒で知られる芽だけでなく、光が当たって黄緑や緑に変色した皮にも有毒物質が含まれ、多くの食中毒の原因に。変色を防ぐために、光があたらない冷暗所に保存し、調理時には芽だけでなく、黄緑や緑に変色した皮もしっかり取り除く。

  • 野山で気をつけたいもの

    ・トリカブト:猛毒のため、最も注意が必要。4~6月の若葉のころは、モミジガサ、ニリンソウ、ナンテンハギなどと間違えやすく、死亡例が出ている。

    ・バイケイソウ:オオバギボウシやギョウジャニンニクとよく似ており、オオバギボウシとは生える場所まで同じ。若芽の時期では、両者はほとんど区別がつかないとされている。キャンプ場でコバイケイソウをオオバギボウシと間違えて食べた104人中、95人が食中毒を起こした例が報告されている。

採らない、食べない、売らない、人にあげない。食中毒の症状が出たらすぐに受診を

以上のほかにも、葉が大葉やアシタバ、モロヘイヤに、根はゴボウに似ている「チョウセンアサガオ」、里いもに似た「クワズイモ」なども、食中毒の事例があります。これらの有毒植物はどのような色・形をしているのか、参考リンク先のパンフレットなどで、よく確認しておきましょう。また、厚生労働省のパンフレットでは、食用の植物と確実に判断できない植物は、絶対に「採らない、食べない、売らない、人にあげない」ことを強調しています。

万が一、山菜や野草などの植物を食べ、吐き気やおう吐、腹痛、下痢、さらにはしびれやめまい、けいれんといった食中毒の症状があれば、すぐに受診してください。