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人もペットも、野山や草むら、緑が多い場所では「マダニ」に注意

人もペットも、野山や草むら、緑が多い場所では「マダニ」に注意

マダニの体内の菌やウイルスにより、高熱や発疹のほか、命にかかわることも

野山や身近な草むらにいるマダニにかまれ、危険性の高い感染症にかかる人が増えています。なかには命にかかわるケースも出ています。ハイキングや野外活動、農作業、庭仕事などで「緑が多い場所」に立ち入る際は、マダニ対策を忘れないでください。

ダニというと、イエダニのような目には見えないような小さな生き物をイメージしがちですが、マダニは普段の大きさが約0.5cmで、イエダニの10倍近くもあります。これが人をかんで吸血すると約1.5cmにもなり、ペットボトルキャップの直径の半分ほどの大きさにまで膨らみます。

マダニは蚊と同じように二酸化炭素を感知して、ヒトなどに飛びついて吸血するとされ、その際にマダニの体内にいた菌やウイルス などによる重大な感染症にかかる恐れがあります。具体的には、致死率の高い「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」や全身に発疹(ほっしん)が現れ高熱が出る「日本紅斑(こうはん)熱」をはじめ、「ライム病」「ダニ媒介脳炎」「つつが虫病」などです。

緑が多い場所では肌の露出を控え、虫よけ剤を使用。かまれたら無理にはがさない

国内でのマダニによる感染症の多くはこれまで西日本が中心でしたが、最近では東日本にも広がる傾向がみられ、全国で注意したいところです。 シカやイノシシ、野ウサギなどが出没する環境は、これらの野生動物をねらうマダニが多く生息しているとみられています。一方で、民家の裏山や裏庭、畑、あぜ道といった身近な環境にも生息しています。山間部、都市部を問わず、緑が多い場所ではマダニに注意しましょう。

マダニにかまれないようにするには、腕、脚、首など、肌の露出をできるだけ少なくすることが大切です。マダニに効果が認められた虫よけ剤(忌避剤)の利用もおすすめですが、100%防げるわけではないので、虫よけ剤を使っても肌の露出はできるだけ控えてください。

マダニがいる可能性がある場所から帰宅したら、家に入る前に、上着などについていないかどうか肉眼で確認しましょう。衣服についたマダニはガムテープに貼り付けて取り除くことができます。入浴やシャワーの際には体にマダニがついていないかどうか確認してください。

野外にいるときを含め、体についたマダニを見つけたら、自分で取ろうとせずに、できるだけ速やかにそのまま皮膚科などの医療機関を受診してください。皮膚についた吸血中のマダニを無理に引きはがそうとすると、マダニの口の一部が皮膚の中に残って化膿する恐れがあるからです。

マダニにかまれると必ず重大な感染症にかかるわけではありませんが、かまれてから数週間は体調の変化に気を配り、発熱などがみられたら、すぐに受診してください。

ペットの散歩も草むらを避け、普段から体の表面をよく観察する

また、野良猫にかまれてSFTSに感染したとみられる女性が死亡した例や、ペットの犬や猫がSFTSに感染した例もあります。マダニにかまれると感染症で命にかかわることがあるのは動物(犬や猫、シカ、イノシシなど)も同じで、さらに感染した動物と触れ合うことで、ヒトへうつるケースがあるのです。

ペット自身のマダニ感染症予防のためにも、ヒトへの感染防止のためにも、犬や猫を飼っている場合、散歩から帰った後など、普段から体の表面をよく観察することが望まれます。マダニの季節の犬の散歩は、草むらを避けたほうがよいでしょう。なお、犬用にはマダニ駆除のための薬剤が発売されています。

よく外出する犬や猫にマダニが疑われる虫を見つけたり、体調不良に気づいたら、早めに獣医師に診てもらいましょう。