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その体調不良、「亜鉛不足」が原因かも? まずは食生活の改善を

その体調不良、「亜鉛不足」が原因かも? まずは食生活の改善を

長引く口内炎、皮膚炎、貧血……亜鉛不足を疑ってみましょう

「傷や口内炎が治りにくい」「食欲がない」「貧血気味」などは、よくある症状ですが、もしかすると、亜鉛というミネラルの不足によるものかもしれません。
ほかにも、亜鉛不足によって下記のような症状が起こりやすくなります。

●亜鉛不足で起こることがある主な症状
味覚障害/食欲不振/貧血/口内炎/皮膚炎(湿疹・かぶれ)/傷が治りにくい/脱毛/(子どもの)身長の伸びが悪い/精力減退・男性不妊

亜鉛の代表的な働きは、酵素をつくったり、酵素の働きを活性化させる、というもの。私たちの体のなかには、このようにして亜鉛がかかわっている酵素が300以上もあるとされています。例えば、血液をつくる、皮膚の代謝を進める、味覚を維持する、子どもの身長を伸ばす、生殖機能を維持する、などには、どれも亜鉛がかかわる酵素が欠かせないのです。そのため、亜鉛が不足するとそれらの働きが十分ではなくなり、前述のようなさまざまな症状が現れやすくなります。

また、亜鉛は筋肉や骨、皮膚・毛髪、肝臓、そして味を感じる味蕾(みらい)細胞や精巣などに比較的多く含まれているため、体内に亜鉛が不足すると、これらの機能が低下しやすいとされています。

亜鉛は牛肉や牡蠣、ほたて貝、レバーなどに多い。日本人は摂取不足気味

亜鉛は体内に蓄えておくことができず、毎日、必要量をとり入れなければいけません。日本人の1日当たりの亜鉛の摂取推奨量は成人男性で10mg、女性で8mg、妊婦や授乳婦は10~11mg(厚生労働省「日本人の食事摂取基準2015年版」による)ですが、実際の摂取量は男性で8.8mg、女性で7.3mgであり、やや不足気味となっています(同「平成28年国民健康・栄養調査結果の概要」による)。

亜鉛を多く含む主な食品は、牛肉、牡蠣(かき)、豚・牛・鶏のレバー、ほたて貝、玄米、うなぎ、白米、木綿豆腐、納豆などで、栄養バランスのとれた食事を1日3回とっていれば、通常は亜鉛が不足することはないとみられています。しかし、過度なダイエットをしている人や高齢者に多くみられる、肉をあまりとらない食事などでは、亜鉛が不足しがちです。

また、糖尿病や慢性腎臓病では亜鉛が尿と一緒に排出されやすいことや、潰瘍性大腸炎や肝機能障害があると亜鉛不足になりやすいことがわかっています。生活習慣病の治療薬をはじめ、多くの薬剤の副作用でも亜鉛の排出が進んで、亜鉛が不足しがちになります。

各症状に対する治療と同時に、亜鉛を十分にとる食事の見直しを

前述のような症状は、放置してしまいがちですが、長く続くと日常生活に支障が出かねません。症状が続き、亜鉛不足が疑われる人は、症状の治療を行いつつ食生活も見直してみましょう。

それでも改善しない場合は、医師に相談し、場合によっては血清亜鉛濃度の測定(血液検査)を検討してみましょう。亜鉛欠乏症と診断された場合は、薬物治療の対象となることがあります。亜鉛を含むサプリメントの使用についても、あらかじめ医師に相談してからがよいでしょう。