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紫外線対策は「目」も含めて、過不足がないように適切に

紫外線対策は「目」も含めて、過不足がないように適切に

日焼け止めは使うシーンに合わせて選び、塗り方にも気を配って

日差しが強くなり、紫外線対策が必要な季節を迎えました。紫外線は肌の老化を進め、シミやシワ、たるみの原因となるほか、免疫機能を低下させ、さらには、白内障や、日本人には多くはありませんが皮膚がんの原因にもなるとされています。

これらの美容・健康トラブルを避けるためには、紫外線を防ぐ工夫が大切です。衣服は、熱がこもらないように風通しをよくしたうえで肌の露出を控え、帽子や日傘、サングラスなどの利用は今や常識といえるでしょう。ただ、紫外線は空から降り注いでくるだけでなく、路面や壁面で反射してあらゆる方向から体に届きます。曇りや雨の日でも、日中なら紫外線が来ています。これらも含めて紫外線を防ぐには、日焼け止めの利用が欠かせません。

通常の外出、野外でのレジャー、ドライブなど、使うシーンに合わせて適切な日焼け止めを選び、1回の必要量を十分に塗る、汗などで落ちることを考えこまめに塗り直す、といった塗り方にも気を配りましょう。

目に大量の紫外線で急性症状、日常的に長期に浴びれば目の慢性病に

また、肌だけでなく目も紫外線の害を受けます。通常、目の最も外側の角膜や、その内側の水晶体(レンズ)が紫外線の害を防いでいます。しかし、大量の紫外線によってこれらが“日焼け”すると炎症が起こり、充血やまぶしさなどの急性症状があらわれます。そのうえ、とくに大量ではなくても日常的に長期にわたって紫外線を浴びることで、白内障や瞼裂斑(れんけつはん、白目が盛り上がって充血する)、翼状片(よくじょうへん、白目の細胞が増殖して失明の恐れがある)などの、慢性的な目の病気を招きやすくなるのです。

一般的に紫外線が多い時間帯はお昼前後ですが、目にとっては、朝や夕方の低い位置からの日差しのほうが目に入りやすく危険なので、UVカット機能がついたサングラスを利用するようにしましょう。ただし、色の濃いサングラスをかけると瞳孔(どうこう)が開きがちになり、レンズ周辺からの紫外線をより多く浴びてしまうので、薄めの色で大きめのレンズを選ぶとよいでしょう。

ビタミンDが不足すると「くる病」や骨粗しょう症のリスクが高まる恐れ

ただし、紫外線にも人の健康によい面があります。それは紫外線を浴びると体内でビタミンDが合成されることです。ビタミンDは骨へのカルシウムの沈着を促すため、カルシウムだけでなく、ビタミンDが不足しても骨の健康がおびやかされることになります。

このため、日焼け止めなどの紫外線対策が過度になると、ビタミンD不足に陥る恐れが指摘されるようになってきました。

たとえば、乳幼児期にビタミンDが不足すると、骨が軟らかくなって変形や成長障害を起こす「くる病」を発症する場合があります。くる病は戦後の栄養状態が悪い時代に、日照時間の短い地域に多く発症していた病気ですが、最近10数年で再び患者が報告されるようになってきたといわれています。また、成人では、とくに女性の場合、ビタミンD不足は骨がスカスカになる骨粗しょう症のリスクを高める恐れがあります。

通常の日焼け止めの使い方では、健康リスクを高めるほど紫外線を遮ることはないともいわれていますが、過度に避けすぎないように心がけましょう。なお、ビタミンDは食事からとることもできるため、ビタミンDを多く含むきのこ類や魚介類を、普段から十分にとることも大切です。