災害時の心のケア

まずは、休養と睡眠をとり、心の疲れを軽減しましょう

厚生労働省では、今回の東日本大震災(平成23年〈2011年〉東北地方太平洋沖地震)において、長期化するであろう避難生活を鑑み、被災者の方々が病気にならないで、できるだけ健康に過ごしていただくために、「被災地での健康を守るために」という対策案をまとめ、ホームページ内で公開しています。この中では、心のケアに関する情報もあります。

今回の大地震のように過重なストレスにさらされると、程度に個人差はあっても、誰でも不安や心配が募り、心が疲れてしまいます。不安や心配の多くは、時間の経過とともに回復することが知られていますが、まずは休息や睡眠をできるだけとり、心の疲れを軽くすることが大切です。

「被災地での健康を守るために」では、不安や心配を和らげる呼吸法として、「6秒で大きく吐き、6秒で軽く吸う、朝、夕5分ずつ」行う方法を紹介しています。簡単で覚えやすいので、実行してみましょう。

また、普段から周囲の人たちと声を掛け合うなど、コミュニケーションを図って、お互いに心のケアを心がけましょう。

休養や睡眠をとり、呼吸法などを行っても、次のようなときは無理をせずに、身近な人や専門家(相談員や心理カウンセラー、精神科医など)に相談することをすすめています。

  • 心配で、イライラしたり、怒りっぽくなる
  • 眠れない
  • 動悸(どうき)、息切れで、苦しいと感じる

外傷後ストレス障害(PTSD)を防ぎましょう

大きな災害などで、自分や親しい人の命にかかわるような体験をすると、心に強い衝撃を受けます。それによって、災害からしばらくたって心身に生じてくる異変に、「PTSD(外傷後ストレス障害)」があります。「外傷」といっても体のけがではなく、心のけが(トラウマ)のことです。
 PTSDは、平成7年(1995年)の阪神・淡路大震災のあと、多くの人が発症したことでもよく知られています。今回の東日本大震災(平成23年東北地方太平洋沖地震)でも、非常に多くの方々が被災されました。今後、PTSDに対する早期のケアも含めて、被災者の方々へのメンタルヘルスケアがますます必要とされそうです。

PTSDの症状

強い恐怖感を伴う出来事を体験すると、そのときの記憶が何度も甦ってきて、同じような恐怖感に襲われることがあります。それは正常な反応で、多くの人は2、3週間のうちに落ち着いてきます。しかし、次のような症状が3つ以上みられ、それが1カ月以上続く場合はPTSDと診断されます。

  • ちょっとしたことがきっかけで、つらい記憶がよみがえる(フラッシュバック)
  • 悪い夢をみる
  • つらい体験を思い出させるような状況を避けようとする
  • 現実感がなかい
  • 感情や関心などがマヒする
  • つらい体験についての記憶を失う
  • 不眠やイライラが続く
  • 集中力が低下する
  • 物音に過敏になる


 子どもの場合は、上記に加えて次のような症状や行動状が見られることがあります。

  • 頭痛や腹痛、発熱、めまいなどの体の不調
  • 両親から離れようとしない
  • お漏らしやおねしょ、指しゃぶり、抱っこなどの赤ちゃん返り
  • 感情や行動がコントロールできない

PTSDになったとしても、3分の2程度は半年くらいで自然に治まるといわれています。しかし不調が長く続くと、病状が複雑化して社会生活に影響を及ぼすこともあるので、早めに専門家に相談しましょう。

一般的なケア「3つの安らぎ」の確保

PTSDの人には、あれこれと言ったりせず、そのままの気持ちを受け止めて支えてあげましょう。そして「3つの安らぎ」を与えてあげましょう。

  • 「安全」もう危険な目にはあわない
  • 「安心」助け、支えてくれる人がいる
  • 「安眠」ゆっくりと眠れる環境

温かく見守って、自然な回復を促しましょう。

専門的なケア

精神科などメンタルケアの専門家を受診し、抗うつ薬による薬物療法やカウンセリングを受けることが、症状改善に有功とされています。



「心の相談緊急電話」開設のお知らせ

被災者の方々、支援活動に従事されている方々の、精神的な悩みや問題についての相談を受け付ける電話窓口が開設されています。精神科医師、臨床心理士、保健師、精神保健福祉士など、心の健康に関する専門家が無料で相談に応じます。