従業員の健康管理に積極的な企業を選定した「健康経営銘柄」

健康経営の実践で生産性・企業価値の向上や医療費適正化に期待

従業員の健康保持・増進の取り組みは、将来的に企業の収益性を高める投資となる――。このような考えに基づき、従業員の健康管理に、経営的な視点から戦略的に取り組むことを「健康経営(※)」といいます。

健康経営の実践によって期待できるメリットは、従業員が健康で生き生きと働くことができ、生産性の向上につながること。また、従業員の健康管理を積極的に行っているとして、企業イメージが向上すること。さらには、病期の発症予防や重症化予防によって、医療費の適正化も実現できることが考えられます。

 

健康経営に優れた企業を「健康経営銘柄」に選定。社会への浸透をねらう

経済産業省は健康経営に取り組む企業を応援しようと、東京証券取引所と共同で「健康経営銘柄」22銘柄を選定し、2015年3月25日に公表しました。

これは、東証の上場会社の中から、健康経営に優れた企業を選び出し、長期的な視点からの企業価値の向上を重視する投資家にとって、魅力ある企業として紹介する試みです。健康経営を資本市場が評価することで、健康経営の取り組みを促進させ、社会に浸透させようというねらいがあります。

選定にあたっては、健康経営を評価するための約100項目に対する回答をもとに、33業種ごとに数社ずつ「健康経営に優れた企業」を抽出。さらに財務指標を使って1社ずつに絞り込みました(該当企業がない場合は非選定の業種もあります)。

 

「健康経営」は「データヘルス計画」にも密接にかかわっている

健康経営銘柄の選定・公表には、もう1つ大きなねらいがあります。それは、協会けんぽの各支部や健康保険組合などの保険者が、本年度から本格的にスタートさせた「データヘルス計画」のバックアップです。

データヘルス計画は、みなさんが健康診断を受けたときの結果や、医療機関を受診したときの診療報酬明細書(レセプト)データを集積・分析して、より効果的な保健事業を行うもの。これによって、被保険者や被扶養者のみなさんの健康づくりを進める施策です。

データヘルス計画の中でも重要なポイントとなっている、保険者と事業主(企業)が連携して保健事業を行う「コラボヘルス」は、企業が健康経営を進めていかなければ成り立ちません。いってみれば、健康経営とデータヘルス計画は表裏一体なのです。

とはいえ、健康経営もデータヘルスも、主役となるのは被保険者や被扶養者のみなさん一人ひとりです。みなさんがメタボ健診などの健康診断をきちんと受けて、生活習慣の見直しに取り組んだり、必要に応じて医療機関を受診するなど、自分の健康を自分で守ることが最重要であることを認識しておきましょう。


※健康経営はNPO法人健康経営研究会の登録商標です。