今年新たにがんになる人は約98万人と予測! 1位は大腸がん

がん罹患数は昨年より約10万人増、死亡数は約4000人増とされる

先月(2015年4月)末、国立がん研究センターでは、「2015年のがん罹患数、死亡数予測」を発表しました。

罹患数は、新たにがんと診断される人の数を表し、これは後述する「全国がん罹患モニタリング集計」と、将来推計人口のデータをもとにして算出されています。2015年の予測値は、2014年の予測値から約10万人増の98万2100人となり、実測値に近かった2011年の推計と比較すると約13万人増加しています。

罹患数の増加は、高齢化とがん登録精度の向上によるものと考えられています。

また、死亡数はこの1年間にがんで亡くなる人の数を表し、人口動態統計がん死亡数と将来推計人口のデータをもとにして算出されています。2015年の予測値は、2014年の予測値から約4000人増の37万900人。実測値である2013年の人口動態統計から約5000人増という予測になりました。

 

罹患数、死亡数ともに大腸がんと肺がんの順位が上昇

がんの部位別の予測では、罹患数が多いのは大腸がん、肺がん、胃がん、前立腺がん、乳がんの順で、昨年まで第2位や3位だった大腸がんが、第1位に上昇しています。

男女別に第3位までのがんを見ると男性では前立腺がん、胃がん、肺がんの順、女性では乳がん、大腸がん、肺がんの順となっています。前立腺がんと乳がんは近年著しく増加傾向にありますが、前立腺がんの増加には、高齢化だけでなく、PSA検査の普及がかかわっているとも考えられています。

死亡数では肺がん、大腸がん、胃がん、すい臓がん、肝臓がんの順となり、やはり大腸がんの順位が上がりました。

罹患数の約4割、死亡数の約半数を大腸がん・肺がん・胃がんの3つが占めている状況となっています。

 

部位別のがん罹患数には地域差もみられる

さらに、国立がん研究センターは毎年、地域がん登録データを集計した「全国がん罹患モニタリング集計」による罹患数・罹患率の最新推計を報告しています。今回の2011年分では、登録数の増加や登録制度の向上により、1975年の地域がん登録開始以来初めて地域別の罹患数や死亡数の状況を分析しています。

今回は39道府県のみに限られますが、胃がんにかかる人が日本海側に多いことや、大腸がんが北海道・東北・山陰地方に多いこと、肝臓がんが西日本に多いこと、肺がんが男性では北海道と青森県、近畿圏に多いことなどがわかりました。

これらのデータは、国や地域の確実ながん対策のための目標設定や評価・分析に役立てられます。みなさんも、がんの罹患数や死亡数が年々増加していることに危機感をもち、生活習慣の改善や積極的な検診受診などによって、予防と早期発見に努めましょう。