デング熱は今も海外で流行中。日ごろから蚊対策を忘れずに

国内ではまだ発生していないが、自治体などでは対策を開始

昨年(2014年)、70年ぶりに日本国内でデング熱の感染が確認されて話題となりました。今年は国内ではまだ感染が報告されていませんが、6月30日現在、パナマなどでは多くの感染者が発生しています。

日本国内では5月以降、各自治体で蚊の生息調査や駆除を行ったり、東京都などでは国内感染者発生時の行政や医療機関などの役割を定めた 「東京都蚊媒介感染症対策行動計画」を策定したりと、デング熱の発生に備えて対策を行っています。

 

デングウイルスに感染した蚊を媒体して感染する

デング熱は、デングウイルスに感染して起こる急性の熱帯性感染症です。感染経路の多くは、ウイルスに感染した蚊(ネッタイシマカ・ヒトスジシマカ)で、ヒトスジシマカは日本にも生息しており「ヤブ蚊」と呼ばれています。

デングウイルスを持つ蚊に人が刺されると感染が成立し、感染した人を蚊が刺すと1週間ほどでウイルス量が増えるので、さらにその蚊に人が刺されることで広がります。人から人に直接感染はしません。同じように蚊を媒介して感染する病気に、日本脳炎やマラリアがあります。

デング熱の主な症状は、蚊に刺されてから2〜14日(通常3〜7日)の潜伏期間後、突然発熱し、頭痛や関節痛、筋肉痛、発疹などが起こります。症状は1週間程度で回復し、感染しても発症しない症例も多くあります。

しかし、ごくまれに、発熱が終わり平熱に戻るころに血液中の液体成分(血漿:けっしょう)が血管から漏れ出したり、出血症状が現れることがあります。この場合はデング出血熱と呼ばれ、適切な治療を受けないと死に至る可能性があります。

 

予防接種や特別な治療法はない。蚊に刺されない対策が大切

現在のところ、デング熱に対する特別なワクチンや治療法はなく、症状に合わせた治療のみとなります。そのため、蚊の繁殖や虫刺されを防ぐことが大切となります。

NIID 国立感染症研究所が、昨年代々木公園で発生したデング熱の国内感染症例を調査した結果(「デング熱国内感染症例の積極的疫学調査結果の報告」)によると、ウイルスを持った蚊が繁殖している場所では、短時間の滞在でも感染する可能性があるものの、より長時間滞在することでリスクが高まることや、代々木公園や周辺を習慣的に利用している人は、感染して発熱などの症状があっても再度訪問していたことなどがわかっています。

流行地域だけでなく、池や公園など水の多い場所や、やぶ、木陰など蚊の好む場所に行く予定の人は、長袖長ズボンなどの露出を避けた服装をし、虫除け剤を使うこと、できるかぎり滞在時間を減らすことがすすめられます。そのような場所に行ったあと、万が一デング熱が疑われる症状が出た場合は、医療機関を受診し、感染拡大を防ぐためにも、再度蚊に刺されないよう十分に注意しましょう。

家庭などでは蚊の繁殖を防ぐために屋内外に溜まった水を放置しないこと、室内に蚊が入るのを避けるために戸や窓の開け閉めを減らし、網戸やエアコンを使うようにすることも大切です。

また、国立感染症研究所や厚生労働省のホームページなどから、最新情報を確認し、発生状況について注意を払っておくようにしましょう。