涼しくなっても油断禁物 マダニによる感染症に注意!

マダニによる感染症が日本列島を北上中?

いよいよ秋の行楽シーズン。紅葉狩りにハイキング、芋煮なども楽しい季節になりましたが、今月(2015年9月)上旬、ちょっと気になるニュースがありました。それは、石川県在住の60歳代男性が、マダニが引き起こす感染症にかかって死亡したというもの。

その感染症とは2011年に新たに確認された「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」のことで、日本では2013年1月に初めて患者が報告され注目されました。

これまで確認された患者はすべて九州、四国、中国地方など西日本在住の方でしたが、今回初めて石川県で確認されました。SFTSウイルスを持つマダニは東北、北海道を含む日本の広い範囲で発見されており、日本のどこにいても感染の可能性はあると考えられます。


マダニは春から秋(3月〜11月)にかけて活発に活動するため、涼しくなったからといって油断はできません。改めてSFTSとはどんな病気か、対策はどうすればよいのか確認しておきましょう。

 

主な症状は発熱や消化器症状。有効な抗ウイルス薬はない

SFTSは、SFTSウイルスを持つマダニにかまれたあと6日から2週間ほどの潜伏期間を経て発症します。主な症状は発熱や食欲低下、吐き気、嘔吐(おうと)、下痢、腹痛などで、頭痛や筋肉痛、意識障害などが起こることもあります。2015年8月26日現在で151人の患者が報告され、そのうち41人が死亡しています(9月の石川県の患者さんは含みません)。

今のところ、根本的な治療薬や有効なワクチンはなく、症状をやわらげる対症療法が治療の中心となります。

 

屋外の活動では肌の露出を避けて

マダニは主に野山や草むら、畑、あぜ道などの屋外に生息し、市街地周辺でも見られます。硬い外皮に覆われ、サイズは吸血前で3〜8ミリ、吸血すると10〜20ミリにもなり、家の中に生息する肉眼では見えないほど小さなダニとは種類が全く異なります。

マダニは、SFTSのほかにも日本紅斑熱やライム病など多くの感染症を媒介することが知られています。屋外の活動ではマダニにかまれないよう注意してください。

それには、野山や草むらなどに入るときはできるだけ肌を露出しないようにすることが大切です。長袖・長ズボンに帽子、手袋を着用、首にはタオルやスカーフを巻きます。シャツの袖口は手袋の中、裾はズボンの中に入れ、ズボンの裾は靴下やブーツの中に入れるとよいでしょう。

帰宅したらすぐにシャワーを浴びたり入浴をして、マダニがついていないか確かめてください。もしも吸血中のマダニを見つけても、無理に引き抜こうとせず皮膚科などを受診して処置してもらいましょう。マダニの一部が皮膚の中に残って化膿したりすることがあります。マダニにかまれたら数週間は体調変化に注意し、発熱などがあれば医療機関を受診してください。