著名人の死亡で注目される「胆管がん」ってどんな病気?

他国に比べて日本人は胆管がんの発症が多い?

今年に入ってから、50代の五輪金メダリスト(柔道)、70代の詩人で児童文学作家、50代のゲームメーカー社長、50代の女優など、著名人が相次いで胆管がんのため亡くなっています。

以前はあまり耳にすることのなかった胆管がんですが、数年前(2012年)、印刷工場の元従業員らが業務で使用した化学物質によって胆管がんを発症していたことが発覚、注目されました。胆管がんとはどのような病気なのでしょうか。


「胆管」とは、肝臓で作られる消化液である胆汁を十二指腸に運ぶ管のことで、肝臓から胆のう、すい臓、十二指腸をつないでいます。その胆管のどこかにできるがんが胆管がんです。

胆管、胆のうと、胆管が十二指腸につながる乳頭部を合わせて「胆道」といい、胆管がんは胆道がんのうちの1つです。

国立がん研究センターの「最新がん統計」によると、2011年に日本で新たに胆管がん・胆のうがんと診断された人は男性約12,300人、女性約11,400人。日本人が生涯で胆管がん・胆のうがんにかかる確率は男女とも2%と決して高くありませんが、欧米人やアメリカの日系移民などと比較すると高いことがわかっています。

 

黄疸を伴うこともあるが、進行しないと症状が出ない場合も

胆管がんは、肝臓の中を通っている胆管にできる肝内胆管がんと、肝臓の外に出た胆管にできる肝外胆管がんに分けられます。

肝外胆管がんの場合、胆管ががんで塞がれて胆汁が流れにくくなり、胆汁が逆流して血管内に入り込むようになります。すると胆汁の中の黄色い色素ビリルビンによって皮膚や白目が黄色くなる黄疸(おうだん)の症状が現れ、気づくことが多いといわれます。黄疸になると、尿が茶色くなったり便が白っぽくなったり、皮膚のかゆみが出たりします。

一方、肝内胆管がんの多くは黄疸の症状が出ません。無症状のまま進行してしまい、がんが大きくなってから、みぞおちや右脇腹の痛み、体重減少、発熱、食欲不振、全身の倦怠感(けんたいかん)などの症状が出てくることがほとんどです。


胆管がんは早期に発見される人が少なく、診断や治療も難しいがんです。そのため、治療によってどれくらい命を救えるかを示す指標である5年生存率は、肝臓がんやすい臓がんとならんで低くなっています。

 

定期的な腹部超音波検査で早期に発見できる可能性も

最近は画像検査の進歩によって、胆管がんの早期発見や正確な診断が可能になっています。特に超音波検査(エコー検査)は簡単に検査ができて放射線被ばくもなく、体の負担がありません。人間ドックなどで定期的に腹部超音波検査を受けることで、胆管がんを早期に発見できる可能性があります。


胆管がんのリスク因子とされるのは、胆管に慢性の炎症を起こす病気や胆管結石、慢性ウイルス性肝炎、膵・胆管合流異常症などで、そのほかに50歳以上、肥満、高脂肪食などもリスクを高めるとされています。

それらのリスク因子に思い当たる人は、定期的な検診・検査をおすすめします。