若い女性に「梅毒」が急増中 女性の報告数は5年間で約5倍!

梅毒患者の報告数が1999年以降で最多に

「梅毒」というと過去の病気というイメージを持つ人が多いかもしれませんが、近年若い世代で患者が増加しています。

梅毒は主に性行為で感染する性感染症の一つで、梅毒トレポネーマという細菌に感染して発症します。梅毒はペニシリンの内服治療で治る病気になりましたが、感染に気づかず放置すると、数カ月で全身に赤い発疹(ほっしん)があらわれ、さらに感染から数年たつとゴムのような腫瘍が発生し、心臓、血管、脳などが侵され死に至ることもあります。


国立感染症研究所によると、日本の梅毒患者の報告数は2005年ごろから増加傾向にあり、特にここ数年急増しています。2015年10月時点(2014年12月29日〜2015年10月25日)の患者数は2,037人(男性1,463人、女性574人)で、現在の調査方法になった1999年以降ですでに最多となりました。

女性の報告数は男性よりは少ないものの、昨年同時期の約2倍と大きく増加し、なかでも20〜24歳の女性では2.7倍にも上っています。2010年の女性の報告数は124人でしたから、5年間で5倍近くに増えたことになります。


感染経路では、2010〜2013年は男性の同性間性的接触が増えていましたが、今年にかけては男女の異性間性的接触が増えており、同性間性的接触で感染した男性が女性と性的接触し、女性の感染者が増えていることも考えられます。

 

妊婦が感染すると胎児に感染することも

若い女性の梅毒患者が増えるのに伴い、「先天梅毒」の増加が懸念されています。妊娠している女性が梅毒に感染すると、胎盤を通して胎児に感染し、早産や死産を起こしたり、新生児期から小児期に発症する先天梅毒を起こすことがあるからです。


通常初期の妊婦検診で梅毒検査が行われるので、妊婦検診は必ず受けましょう。母親が服薬治療を行うことで、胎児の感染予防や治療も可能です。

 

予防のためにコンドームを正しく使おう

国立感染症研究所は、梅毒について「コンドームを適切に使用しないことがリスクを高めること、オーラルセックスやアナルセックスでも感染すること、免疫を得られずなんども感染すること」などを警告しています。

コンドームはセックスの際最初から最後までつけることが大切です。ただし、コンドームで覆われていない部分からも感染するので、100%防げるわけではありません。


感染の有無は医療機関や各地域の保健所で、血液検査によって調べることができます。リスクのある人は早めに検査を受けましょう。

保健所ではHIV(エイズウイルス)検査と同時に梅毒やほかの性感染症の検査を受けられることが多く、基本的に匿名・無料で受けられます。梅毒にかかっているとHIVにも感染しやすくなるため、一緒に検査を受けるとよいでしょう。

感染がわかった場合は必ずパートナーに伝え、検査を受けるようすすめてください。