冬のお風呂はヒートショックに気をつけて!

ヒートショックが原因の入浴中の急死が年間1万7000人も

暖冬とはいえ、冷え込む日も多くなってきました。寒い時期に気をつけたいのが「ヒートショック」による入浴中の事故です。ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動することで起こる健康被害のこと。脳卒中や心筋梗塞、失神などを起こすことがあり、入浴中は溺死や急死につながります。


東京都健康長寿医療センター研究所の調査によると、2011年には全国で約17,000人がヒートショックに関連して入浴中に急死したと推計されますが、これは交通事故による死亡者数(約4,600人)の3倍以上という多さです。

死亡者の約8割を高齢者が占めると推測されますが、中高年でも高血圧や動脈硬化、心臓病などの生活習慣病がある人は注意が必要です。

 

ヒートショックを起こす危険がもっとも高いのは冬の入浴中

入浴中の死亡事故は、特に気温が低くなる12月から3月に多くみられます。寒い季節は、同じ家の中でも暖房の効いた場所とそうでない場所で温度差が大きくなるため、ヒートショックを起こしやすく、もっとも危険なのが寒い場所で裸になる入浴中です。

まず、暖房が効いた居間などから寒い脱衣所へ行って服を脱ぐと、体の表面温度が一気に下がります。すると体温調節のため血管が収縮して血圧は急上昇します。続いて熱いお湯につかると熱さの刺激で血管が収縮し、さらに血圧が上がって脳卒中や心筋梗塞を起こすことがあります。


お湯につかってしばらくすると、今度は血管が温められて拡張し、血圧は急激に低下します。その状態が続くと、心臓や脳へ送られる血液が不足し、不整脈や意識障害を起こして溺れる危険があります。

入浴中はこのように血圧が急に大きく上下し、大変危険です。

 

脱衣所や浴室を暖め、ヒートショックを防ぐ

血圧の急激な変動を避ける次のような工夫でヒートショックを防ぎ、安全にバスタイムを楽しみましょう。

  • 食事直後やお酒を飲んだときは入浴を控える
    食後1時間以内やお酒を飲んだときは血圧が下がりやすいので、入浴は控えましょう。

  • 脱衣室や浴室を暖める
    脱衣所は電気ストーブやオイルヒーターなど、火を使わない暖房器具で暖めておきましょう。浴室は専用の暖房器具で暖めるか、湯気を利用して暖めます。シャワーヘッドを高い位置に置いて浴槽にお湯を張ると、浴室全体が暖まります。

  • 浴槽にいきなり入らず、かけ湯で体をお湯に慣らす
    いきなりお湯につかると血圧が急上昇します。手足など心臓から遠い部分から、体の中心に向かって順にかけ湯をして体を慣らしましょう。

  • お湯はぬるめに、浴槽につかるのは短めに
    湯温が熱すぎても、お湯につかる時間が長すぎても、血圧の変動は大きくなります。湯温は41℃以下に設定し、浴槽につかるのは1回5分までにしましょう。

そのほか、ある程度気温が高い日没前までに入浴するのもよい方法です。同居している人がいる場合は一声かけてから入浴し、入浴時間が長すぎたら様子を見に来てもらう、一人暮らしの場合は公衆浴場などを利用するようにすると、何かあったときすぐに対処してもらえて安心です。

また、寒いトイレもヒートショックを起こしやすい場所です。洗面所と同じように暖房して暖かくしておきましょう。