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右上腹部の激痛が起こる胆のう炎。暴飲暴食が引き金になりやすい

右上腹部の激痛が起こる胆のう炎。暴飲暴食が引き金になりやすい

主に結石で滞った胆汁が細菌に感染して起こる

先月(2016年4月)末、60代の男性俳優が胆のう炎を発症。再発などを考慮し、今月に入ってから腹腔鏡による胆のうの摘出手術を受けたことが報道されました。手術は無事に成功し、術後の経過も良好とのことです。

胆のうは、肝臓で作られた胆汁(食物の消化吸収を助ける作用をもつ)を、十二指腸に送り出す前に一時的に蓄える働きをもっています。胆のう炎の多くは、なんらかの原因で結石(胆石)ができたことによって滞った胆汁が、細菌に感染することで起こります。

重症化した場合は、胆のう壁(胆のうの膜)が破れたり、腹膜炎を起こしたりして、命にかかわることもあり、特に急速に悪化しやすい高齢者は注意が必要です。

抗菌薬での治療後、胆のうを摘出する手術を行うことが多い

胆のう炎の典型的な症状として、右上腹部からみぞおちにかけて、強い痛みが起こります。胸や背中が痛むこともあり、痛みの種類は人によってさまざまですが、長時間続いて次第に強くなります。胆のうのある右季肋部(みぎきろくぶ、右の肋骨の下)に腫れがあったり、そこを押すと呼吸が止まるほどの痛みを感じることが多く見られます。また、発熱や嘔吐(おうと)、黄疸(おうだん)、下痢や便秘が起こることもあります。

胆のう炎と診断されたら、まずは抗菌薬による内科的治療で炎症を抑えます。その後、重症度によって、腹腔鏡を使った胆のう摘出手術(腹腔鏡下胆摘術)や、胆のうにたまった胆汁を取り除く胆のうドレナージが行われることもあります。

胆石があると起こしやすいので要注意。胆石があっても無症状の人も

高齢者や、以前に胃の手術を受けて胆のうの収縮力が弱まっている人、胆石がある人は胆のう炎を発症しやすくなります。ただし、胆石があっても無症状の人は多く、そのような人が胆のう炎を発症し、摘出手術が必要となるリスクは、2~4割、1年間に1~数%とされています。

脂(あぶら)っこい物をたくさん食べたり、お酒をたくさん飲んだりすると、胆汁の排泄が盛んになって胆のう炎を起こしやすいため、暴飲暴食を避けて規則正しい生活を心がけましょう。

もし右上腹部などの痛みや発熱があったら、早めに消化器内科あるいは外科を受診することが大切です。