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膵臓がんは、診断時には4割がステージ4。リスクの高い人は定期検診を

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2014年の全国のがん拠点病院などの診療情報公開。主要5部位に加え7部位を初集計

先月(2016年9月)、国立がん研究センターが公表した「2014年がん診療連携拠点病院等院内がん登録全国集計」が公表されました。これは、全国のがん診療拠点病院等421施設と、都道府県に推薦された病院306施設、小児がん拠点病院15施設において、2014年の1年間にがんと診断された患者さんの診療情報を集計したものです。

同集計ではこれまで、胃、大腸、乳房、肝臓、肺の5部位のがんについての診断時の臨床病期(ステージ)や、ステージ別の治療方法などが集計されていましたが、今回はそれに加え、食道、子宮頸部、子宮内膜、膀胱(ぼうこう)、甲状腺、膵臓(すいぞう)、前立腺の7部位についても集計されました。

そのなかで、診断時に最も重い「ステージ4」の患者さんが多かったのは、膵臓がんだったと報告されています。2014年の1年間でおよそ1万5千人に膵臓がんが見つかり、その43%が「リンパ節やほかの臓器に転移がある」などのステージ4。ステージ2~4までで8割以上を占めていました。

5年生存率が最も低いがん。ステージ4で手術を受けた人は約1割

膵臓は、胃の後ろにある細長い臓器で、食物の消化を助ける膵液や、血糖を調節するホルモンであるインスリンやグルカゴンなどを分泌する働きをもっています。

膵臓がんは、部位別のがんの罹患数(その年に新たにそのがんにかかる人の数)では男性第9位、女性第7位とあまり多くないものの*1、5年生存率は男女ともに約8%と、がんのなかで最も低いがんです*2

前述の集計において、ステージ4と診断された膵臓がんの患者さんのうち、がんを取り除く手術を受けられたのは約13%。およそ半数の人は、がんによる痛みを和らげたり生存期間を延ばすための薬物治療(抗がん薬など)のみとなっていました。

*1 国立がん研究センターの「全国がん罹患モニタリング集計2012年罹患数・率報告書」による。
*2 同「全国がん罹患モニタリング集計 2006-2008年生存率報告」による。

初期には特有の症状が少ない。リスクの高い人は専門医のもとで定期的に検査を

膵臓がんの発見が遅れる理由としては、特有の症状がほとんどないことと、一般的な検査では見つけにくい位置にあることが挙げられます。しかし、胃のあたりの不快感や腹痛、背部痛が続くものの胃腸に異常が見つからなかった人や、黄疸、糖尿病の悪化(血糖値の急上昇)などが見られる人は、膵臓の専門医のいる医療機関で検査を受けることがすすめられます。

また、次のような人は膵臓がんになりやすいことがわかっているので、複数当てはまる場合は専門医に相談し、定期的に検査を受けることを検討しましょう。

  • ・喫煙している、していた
  • ・糖尿病がある
  • ・慢性膵炎である
  • ・家族に膵臓がんにかかった人がいる
  • ・肥満である
  • ・慢性膵炎である
  • ・遺伝性膵炎である
  • ・膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、膵のう胞がある