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よく噛まない人にメタボが多い! 健康な歯を維持し、ゆっくり噛んで食べよう

よく噛まない人にメタボが多い! 健康な歯を維持し、ゆっくり噛んで食べよう

70歳代では、噛む能力の低い人は高い人に比べて、メタボ有病率が約2倍

今月(2016年11月)上旬、新潟大学と大阪大学、国立循環器病研究センターの共同研究の一環として行われた、「咀嚼能率(噛む力)とメタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満、以下メタボ)の関係」についての研究結果が発表されました。

この研究は、都市部在住の50~70歳代の住民1,780人を対象に、基本健診と歯科検診を行って調査したもの。そのなかで、専用のグミゼリーを対象者に30回噛んでもらい、増えた表面積を算出することで咀嚼能率を測定して、メタボ有病率との関連性を分析しました。

対象者を咀嚼能率によって4グループに分けたところ、対象者全体では、最も咀嚼能率の高いグループに比べて、下から2番目のグループでメタボ有病率が1.46倍高くなっていました。さらに、70歳代にしぼると、最も咀嚼能率の高いグループに比べて、それ以外のグループでは1.67~1.90倍と、2倍近くメタボ有病率が高くなっていました。

噛みごたえのある食材や料理を、ゆっくり味わって食べる

よく噛んで食べることで、食後の安静時のエネルギー消費量が増えることや、満腹中枢が刺激されて食べすぎを防げること、脳内ヒスタミン神経系の働きで食欲が抑えられること、薄味や少量であっても満足感を得やすくなることなどはすでに明らかになっています。そのため、以前から肥満対策の一つに「よく噛んで食べる」咀嚼法が挙げられてきました。

日ごろからよく噛まずに食べていたり、やわらかい食材ばかり食べていたりすると、食べるときに使う筋肉が衰え、さらに噛めなくなってしまいます。噛みごたえのある食材や料理を選ぶ、スマートフォンやパソコン、テレビを見ながらの「ながら食べ」をしないなどの工夫で、ひと口30回を目安に、ゆっくりとよく噛んで食べましょう(「噛ミング30(カミングサンマル)で健康に」参照)。

「よく噛む」ためには、歯を大切に

しっかり噛めなくなる最大の原因として、むし歯(う蝕)や歯周病によって歯の本数が減ったり、かみ合わせが悪くなることがあります。特に高齢になるにつれ歯を失う人が増え、よく噛めないために低栄養になったり、心身が弱ってしまうこと(フレイル)などが問題視されています。若いうちから、むし歯や歯周病を予防することが重要です。

定期的な歯科検診受診および歯科医師や歯科衛生士による歯のクリーニングと、毎日の適切な歯みがきで、歯を健康に保ちましょう。また、万が一歯を失った場合でも、口にあった義歯(入れ歯)の使用によって、ある程度噛む力を回復できることがわかっています。歯を失ったまま放置しないようにしましょう。