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胎児が感染すると危険な風しん。妊娠希望の女性だけでなく男性も予防を

胎児が感染すると危険な風しん。妊娠希望の女性だけでなく男性も予防を

今年から2月4日は「風しんの日」に。2020年までに風しんの排除達成が目標

風しんは、大人が発症すると子どもより重症化することがあるだけでなく、妊娠20週頃までの女性が風しんウイルスに感染すると、おなかの赤ちゃんが難聴や心疾患、白内障などの障害をもった「先天性風しん症候群」で生まれる可能性がある、危険な病気です。

最近では2012~13年に大きな流行があり、厚生労働省では「風しんに関する特定感染症予防指針」において、「早期に先天性風しん症候群の発生をなくすとともに、平成32年度(2020年度)までに風しんの排除を達成することを目標」としています。

そこで、日本産婦人科医会は国立感染症研究所などと協力し、今年(2017年)から毎年2月4日を「風しんの日」とする、「“風しんゼロ”プロジェクト」を立ち上げました。

強い感染力をもつ風しんウイルスが原因。30~50代男性は免疫がないことが多い

風しんは、風しんウイルスによる感染症で、主に春先から初夏にかけて流行します。主な症状は、発熱、顔から始まって全身に広がる細かく赤い発しん、リンパ節の腫れや痛みなどで、1週間程度で症状がおさまるとされています。

感染経路は、感染者のくしゃみや咳などで飛び散った唾などによる「飛沫(ひまつ)感染」ですが、インフルエンザの2~4倍もの感染力があるといわれ、手洗いやマスクだけでは十分な予防はできません。一方、風しんに自然に感染するか、ワクチンをきちんと接種していれば、生涯続く免疫が体内につくられるとされています。現在は、麻しんワクチンと合わせたMRワクチンの定期予防接種(「1歳以上2歳未満」、「5歳から7歳未満で小学校就学前1年間」の2回)が行われているので、対象の子どもには忘れずに接種を検討しましょう。

しかし、定期接種制度がなかった1962年4月2日~79年4月1日生まれの男性と、接種率が低かった1979年4月2日~87年4月1日生まれの男女には、免疫をもたない人が多く、前回の流行時の発症者のほとんどが20~40代の男性でした。

ほとんど症状が出ない人も15~30%いるといわれており、感染を自覚しないまま、家族や職場などで周りの人にうつしてしまうケースもあります。

妊娠希望、妊娠中の女性は免疫の状態を確認。周囲の人も予防対策を

妊娠を予定・希望する女性は、風しんの抗体検査を受けて免疫の状態を確認し(自治体の保健所などで、無料で検査が受けられます。厚生労働省のサイトで検索が可能)早めにワクチン接種を検討することが大切。妊娠中は風しんワクチンを接種できないため、免疫が十分でないとわかった場合には、夫(パートナー)や家族、職場の同僚などにワクチン接種を検討してもらうことをおすすめします。

また、以前の風しんの流行時には、成人男性が東南アジアや中国などからの帰国後に発症する例が散見されました。海外等で風しんが流行している地域へ出張する人は、風しんにかかったことやワクチンを受けたことがあるかどうかを確認し、経験がない場合やあいまいな場合はワクチン接種を含めた予防対策を検討しましょう。

前回の流行時に先天性風しん症候群と診断された赤ちゃんは45人にものぼり、先天性風しん症候群自体には治療法がないため、一人ひとりが予防に努め、“風しんゼロ”につなげることが重要です。