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がん検診、受けてますか? 胃・大腸も、早期発見なら10年生存率9割超

がん検診、受けてますか? 胃・大腸も、早期発見なら10年生存率9割超

がんの部位別5年生存率、10年生存率が更新。先駆的な生存率解析システムも

国立がん研究センターは今月(2017年2月)、全国がん(成人病)センター協議会(全がん協)の協力を得て集計した、日本人のがん「5年生存率・10年生存率」を公表しました。がんの「生存率」とは、がんと診断されてから一定期間後に生きている確率のことで、今回は2006~08年に診断治療を行った約12万症例の部位別5年相対生存率および、2000~03年に診断治療を行った約4万5千症例の10年相対生存率を集計したもので、昨年に引き続き2度めの公表です。

このデータを反映した全がん協の生存率解析システム「KapWeb」(外部リンク参照)では、がんの種類や病期、治療法などさまざまな条件設定で検索し、5年もしくは10年までの生存率の年次推移をグラフでみることができます。

5年、10年生存率ともに改善傾向。いずれもトップは前立腺がん

全部位、全病期の5年生存率は69.4%で、この10年間徐々に上昇してきており、昨年発表の68.8%(2004~07年に診断治療を行った症例が対象)からも改善しています。これは、国立がん研究センターの発表によると、「化学療法、放射線治療や早期発見技術の進歩が貢献している」ためと考えられるとのこと。部位別にみると、5年生存率90%以上だったがんは、前立腺がん、乳がん、甲状腺がんとなっていました。

また、10年生存率も58.5%となり、初算出だった前回の58.2%(199~2002年に診断治療を行った症例が対象)よりも改善しています。部位別にみると、10年生存率90%以上だったがんは前立腺がん。70%以上90%未満だったがんは、甲状腺がん、子宮体がん、乳がん、子宮頸がんとなっていました。

がんの早期発見のために、がん検診を受けよう

ただし、前述の生存率はあくまでもすべての病期を平均した値であるため、早期であるI期の生存率が一番高く、進行するにつれ下がっていきます。例えば、胃がんや大腸がんの10年生存率は、I期であれば9割を超えているものの、II期になると胃がんは55.8%、大腸がんは81.5%に下がります。必要な年齢になったら定期的にがん検診を受け、がんが小さいうちに見つけることが大切です。

内閣府が1月に公表した、2016年度の「がん対策に関する世論調査」では、がん検診を「2年以内に受診した」人は50%超という結果で、「今までがん検診を受けたことがない」人も約3割もいました。また、がん検診を受けない理由として「受ける時間がないから」が最多、次いで「健康状態に自信があり、必要性を感じないから」となっていましたが、がん検診受診を先延ばしにするのは危険です。知らないうちにがんが大きくなり、完治をのぞめる治療が受けられなかったり、治療に長期間かかったりすることもあります。

科学的根拠に基づいた有効ながん検診を適切に受け(「10条 定期的ながん検診を」参照)、早期発見・早期治療に結びつけましょう。