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職場での熱中症で亡くなる人も…… 5月から予防策に取り組もう

職場での熱中症で亡くなる人も…… 5月から予防策に取り組もう

「『STOP!熱中症』クールワークキャンペーン」始動

平成25年~28年1月末までに職場で熱中症によって死傷(死亡あるいは4日以上休業)した人はおよそ1,900人、そのうち83人が亡くなっている――。これは、厚生労働省が調査結果をまとめ、今年(平成29年)3月下旬に発表した「職場における熱中症による死傷災害の発生状況(平成29年1月末時点速報値)」によるものです。

職場での熱中症による死傷者数は、猛暑だった平成22年に656人と最多になりましたが、その後も毎年400~500人で推移しており減少傾向がみられません。そこで、同省では職場における熱中症予防対策を一層推進するため、労働災害防止団体などと共に、今年新たに「『STOP!熱中症』クールワークキャンペーン」を実施することを発表しました。

これは、4月を準備期間、5~9月を実施期間、熱中症予防強化月間である7月を重点取組期間として、個々の労働者に予防策を呼びかけるだけでなく、事業場としての予防管理体制の確立や対策の徹底を求めるものです。

1週間前から暑さに体を慣らしておくことや、日々の健康管理も大切

同キャンペーンの実施要綱では、事業場が取り組むべきこととして、WBGT値(暑さ指数)の把握や低減、休憩場所の整備、作業計画の策定、教育研修の実施、労働者の体調確認など、さまざまな対策が挙げられています。

以下に、労働者自身が取り組める対策についてまとめたので、参考にしてください。

●熱への順化:体を熱に慣れさせること。熱への順化の有無が熱中症の発生リスクに大きく影響するため、7日間以上を目安に暑いなかでの作業時間を徐々に長くする。夏季休暇などがあると、4日後には順化が顕著に失われ、熱中症の発生リスクが上がるため留意する。

●水分や塩分の摂取:自覚症状の有無にかかわらず、作業前後や作業中に定期的に摂取する。尿の回数が少ない、または尿の色が普段より濃い場合は、水分不足の可能性があるので留意する。

●休憩:涼しい休憩場所で適度に休む。

●服装:透湿性・通気性のよい服、体を冷却する服などを着用。直射日光下での作業が予定されているときは、通気性のよい帽子やヘルメットも着用。

●健康管理:睡眠不足や体調不良、前日の多量の飲酒、当日の朝食の未摂取などがあると熱中症になりやすいので、日常の健康管理に留意する。糖尿病や高血圧症、心疾患、腎不全、精神・神経関連疾患、広範囲の皮膚疾患、かぜ、下痢なども熱中症の発生リスクを高める。

●お互いの健康状態の確認:お互いに声をかけ合うなどして、健康状態に留意する。

●異常時の措置:少しでも本人や周りが異変を感じたら、体温を測定し、高い場合には水分摂取や濡れタオルなどで体温を下げながら、医療機関への搬送などの措置をとる。症状によっては救急車を呼ぶ。

* 気温に加え湿度や風速、輻射熱を考慮した暑熱環境によるストレスの評価を行う暑さの指数

作業を終えて帰宅してから熱中症を起こした例もあり、職場を離れても要注意

前述の厚生労働省の発表では、過去5年間(平成24~28年)の熱中症の死傷者数を月別にみると全体の約9割が7~8月に発生しており、また時間帯では14~16時台に多く発生していることがわかっています。日中の作業終了後に帰宅してから体調が悪化し、医療機関へ搬送された例も散見されるとのことで、職場を離れてからも体調の変化に気を配る必要があります。

また、業種別に見ると、建設業が最も多く、次いで製造業で多く発生しており、その2業種が全体の約半数を占めていました。特に建設業では死亡者も多く出ているので、一層注意しましょう。