文字サイズ

各地でヒアリ発生。周辺の発見報道に注意し、野外作業時には肌の露出を避けよう

各地でヒアリ発生。周辺の発見報道に注意し、野外作業時には肌の露出を避けよう

7月半ば時点で6都府県で発見。青海埠頭では1000匹超も

強い毒を持つ外来種の「ヒアリ」は、今年(2017年)5月に兵庫県で発見されて以来、愛知県、大阪府、東京都、横浜市、茨城県で相次いで存在が確認されています。環境省や各自治体では、確認次第ヒアリの駆除作業を行うほか、拡散の可能性のある場所にワナを設置するなどの対策をしていますが、まだ収束には至っていません。

ヒアリの原産地は南米ですが、北米や中国、フィリピン、台湾などにも外来生物として侵入し、定着しています。そのため、それらの地域から船便で輸送される貨物のコンテナなどから日本国内に侵入し、主に港で発見されているようです。また、港から陸便で運ばれた先の、内陸部の工場などで発見されているケースもあります。

体長2.5~6mm程度で赤茶色。刺されるとやけどのような激しい痛みがある

ヒアリは、赤茶色で体長は2.5~6mmと小柄のアリですが、攻撃性が強く、尻の毒針で積極的に刺す習性があります。刺されると、やけどのように熱感を伴う激しい痛みを生じることから「火蟻」、英語でも「Fire ant」と呼ばれています。

刺された場合、痛みに続き、水疱(すいほう)状に腫れて膿(うみ)が出るだけでなく、アレルギー反応を引き起こして重症化することもあり、油断できません。刺された周辺または全身に、かゆみを伴うじんま疹が発生するほか、ショック症状(アナフィラキシー症状)を起こした症例も報告されています。ヒアリの毒には、ハチの毒との共通成分が含まれているため、特に過去にハチに刺されたなど、「ハチ毒アレルギー」を持つ人がヒアリに刺されると、命にかかわる恐れもあります。

野外作業時や、草むらや野山に入るときは、ほかの虫対策のためにも露出を減らす

ヒアリは、農耕地や公園などのやや開けた場所を好んで生息し、ドーム状の大きなアリ塚を作りますが、7月19日現在、まだそれらの場所では発見されていません。ヒアリに関するメディアの報道や自治体からの情報などをチェックし、居住周辺で発見されたことがわかったら、十分に注意しましょう。

なお、予防などのためにむやみに在来のアリを駆除すると、かえってヒアリが生息範囲を広げたり、生態系に影響を与えたりしてしまうおそれがあります。万が一、ヒアリと思われるアリを発見したら、自治体や環境事務所に相談しましょう。

東京都環境局では、日常生活でヒアリの健康被害が起きやすいのは「農作業、庭の手入れや家庭菜園など屋外の作業」「野外に置いてあるサンダル等の靴を履く」行為であるとし、次のような予防策を勧めています。

  • 野外作業時にはプラスチック製の手袋を着用する等、肌を露出しない。
  • アリが体にのぼりにくくするために、ベビーパウダーを靴やズボンに振り掛けておく。
  • サンダル等を外に置きっぱなしにしない。

特に初夏から秋にかけては、ほかの虫による虫刺されやマダニ感染症なども多くなります。野外での作業時や草むら・野山に侵入する際には、長袖・長ズボン、帽子や手袋の着用、首にスカーフやタオルを巻くなどで、肌の露出を減らすことが重要です。