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乳幼児に多い「川崎病」が増加中。全身に炎症が起こり、心筋梗塞の恐れも

乳幼児に多い「川崎病」が増加中。全身に炎症が起こり、心筋梗塞の恐れも

2015年の患者数は1万6,000人を超え、罹患率は史上最高値を記録

1980年前後に大規模流行した「川崎病」の患者数が、近年急増しています。2015年には1万6,000人を超え、罹患率(人口に対する患者数の割合)が史上最高値を記録したことがわかりました。2016年にはやや減少したものの、1万5,000人に達しています。

これは、先月(2017年9月)下旬に日本川崎病研究センターが発表した「第24回川崎病全国調査成績」によるもので、1970年以来、2年ごとに調査が行われています。

川崎病は、1967年に世界で初めて、わが国の川崎富作医師が発見したことからその名がついた病気で、正式には「小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群(MCLS)」といいます。アジア人種、なかでも日本人に多く発生し、患者数の約9割が4歳以下(ピークは9~11カ月児)となっています。

原因は不明。症状は5日以上の高熱、両目の充血、いちご舌、赤い発疹、手足の腫れなど

川崎病は、細菌・ウイルス感染や遺伝的な素因との関連が考えられていますが、原因不明で根本的な治療法が見つかっていません。全身の血管に炎症が起こる病気で、主な症状は、次の6つとなります。

  • (1)5日以上続く発熱
  • (2)両目の結膜の充血
  • (3)唇や口腔粘膜が赤く腫れる、いちご舌(舌が赤く腫れ、いちごのようにブツブツが目立つ)
  • (4)全身にさまざまな形状の赤い発疹(ほっしん)ができる
  • (5)手足が硬く腫れたり、指先や手のひらに紅斑(こうはん)ができる、指先の皮膚が膜状にむける
  • (6)首のリンパ節が腫れて痛む

このうち5つ以上の症状を満たせば川崎病と診断されますが、満たしていなくても、冠動脈瘤(心臓の筋肉へ酸素や栄養を運ぶ血管に、こぶができる)が見つかり他疾患の疑いがないときなどは、川崎病が疑われる場合もあります。

薬で血管の詰まりや冠動脈瘤の形成を防ぐ。治療後も定期的な心臓検査が重要

川崎病を発症すると、心臓の血管に炎症が起こることで冠動脈瘤ができやすく、その血管が詰まると心筋梗塞を起こしやすくなるのが最大の問題です。そのため、血液が血管内で固まらないようにする薬の内服や、冠動脈瘤を作りにくくさせる薬の点滴投与などの治療がメインで行われます。

治療によって症状が改善し冠動脈瘤ができなければ、定期的な心臓検査のみでほとんどよくなります。早めに治療を開始することが重要なので、川崎病のような症状に気づいたら、できれば循環器疾患をみることのできる小児科を受診しましょう。