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がん検診は50%、精検は90%の受診率を目指す―第3期がん対策推進基本計画

がん検診は50%、精検は90%の受診率を目指す―第3期がん対策推進基本計画

2017年度~2022年度までのわが国のがん対策の指針が閣議決定

先月(2017年10月)下旬、わが国の「第3期がん対策推進基本計画」が閣議決定されました。これは、2006年制定の「がん対策基本法」に基づき、今年度から2022年度までの具体的ながん対策の方向を定めたもので、都道府県のがん対策推進計画の基本となります。

全体目標は、「がん患者を含めた国民が、がんを知り、がんの克服を目指す。」とされ、①科学的根拠に基づくがん予防・がん検診の充実 ②患者本位のがん医療の実現 ③尊厳を持って安心して暮らせる社会の構築 の3つの柱が掲げられました。

生活習慣の改善によるがん予防と、検診受診による早期発見・早期治療が重要

分野別の施策としては、「1.がん予防」「2.がん医療の充実」「3.がんとの共生」「4.これらを支える基盤の整備」の4つが挙げられています。

なかでも国民一人ひとりが取り組むべき「1.がん予防」については、科学的根拠に基づいた「日本人のためのがん予防法」を実行するため、次のような具体的目標が立てられています。

(1)がんの1次予防
成人喫煙率を12%にし(現状調査では18.2%)、妊娠中の喫煙をなくすこと、20歳未満の者の喫煙をなくすことを目標とする(「受動喫煙に関する目標値等については、受動喫煙対策に係る法案を踏まえて別途閣議決定する予定」とされている)。また、過度の飲酒をする人の減少、運動習慣のある人の増加を図る。

(2)がんの早期発見、がん検診(2次予防)
現状のがん検診受診率は30~40%台で、第2期基本計画における目標値(50%。胃、肺、大腸については当面40%)を達成できていない。そのため、対策型検診が行われている胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮がん全てにおいて、受診率の目標値を50%とする。さらに、精密検査受診率(要精密検査とされた人のうち、実際に受診した人の割合)は、本来100%であるべきだが、現状およそ65~85%にとどまっている。がんの早期発見・早期治療のために精密検査受診率の目標値を90%とする。

およそ2人に1人ががんにかかる時代。がんをよく知り、予防に努めよう

また、「2.がん医療の充実」では、希少がん・難治性がん・小児がん・AYA世代(思春期世代と若年成人世代)など、それぞれのがんの特性や状況に応じた対策や、ゲノム医療をはじめとする新たな治療法などを推進していくことが、新たな課題とされました。「3.がんとの共生」では、就労を含め、ライフステージに応じた社会的な問題への対応が盛り込まれています。そして、以上を踏まえた「4.これらを支える基盤の整備」には、「がん研究」のほか、「人材育成」や「がん教育・がんに関する知識の普及啓発」が位置づけられています。

わが国では1981年以来、がんは死因の第1位であり、2015年には「年間約37万人が亡くなり、生涯のうちに、約2人に1人が罹患する」と推計されています。国が進めるがん対策の理解を深め、がんについて正しい知識をもち、日ごろから予防や早期発見に務めましょう。また、周囲にがん患者さんや家族がいたら、社会的・心理的に支援することも大切です。