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加湿器の清掃不足で重度の肺炎になることも…レジオネラ菌に要注意

加湿器の清掃不足で重度の肺炎になることも…レジオネラ菌に要注意

菌が増殖した霧を吸って「レジオネラ症」に。循環式浴槽、温泉などでも多い

先月(2018年1月)、高齢者施設の入所者3人が、レジオネラ菌による感染症「レジオネラ症」を発症し、そのうち90代男性が亡くなり、80代男性も完治後に誤嚥(ごえん)性肺炎で亡くなっていたことが報道されました。その施設で使っていた超音波式加湿器からは、基準の2万2000倍にも及ぶレジオネラ菌が検出されたとのことです。

レジオネラ菌(レジオネラ属菌)は、自然界の土壌や川、湖などに広く生息しており、通常は菌に触れたり飲んだりしても問題ありません。しかし、消毒されていない水や入れ替わることの少ない水、20~45℃くらいの水などにレジオネラ菌が侵入すると、増殖するおそれがあります。そして、レジオネラ菌を含む細かい水滴(加湿器の霧など)を人が吸い込むと、レジオネラ症を発症することがあるのです。

これまでも、循環式浴槽(24時間風呂など)、温泉、給水・給湯設備などからレジオネラ菌が検出されたケース、集団感染が発生したケースが多数発生しています。

他の肺炎と同様の症状だが進行が早く、高齢者や乳児は命にかかわる

レジオネラ症には、重症になることのある「レジオネラ肺炎」と一過性の「ポンティック熱」があります。後者は発熱や頭痛、筋肉痛などが起こるものの2~5日程度で自然治癒するので、ここではレジオネラ肺炎について解説します。

レジオネラ肺炎は、まず全身倦怠感(けんたいかん)、頭痛、食欲不振、筋肉痛などが起こり、やがて乾いた咳や38℃以上の高熱、悪寒、呼吸困難などが起こります。昏睡(こんすい)や幻覚、四肢のふるえ、下痢などが見られることも特徴です。

高齢者や乳児、慢性の病気を持つ人、免疫機能が低下した人は発症しやすく、また急激に重症化することがあり、命にかかわります。早めの診断により、有効な抗菌薬(ニューキノロン系、マクロライド系など)による治療を開始することが重要となります。

加湿器はこまめに手入れをし、水を入れ替える。循環式浴槽も清潔を保つ

この時季、加湿器を使用している家庭は多いことでしょうが、十分に手入れしないまま使っていると、レジオネラ菌が増殖する恐れがあります。特に、水を熱さずに超音波振動で霧を発生させる「超音波式加湿器」は、レジオネラ菌が死滅する温度に達さないため、一層注意が必要です。

国立感染症研究所によると、レジオネラ菌は、水の入れ替えや環境を清浄に保つことで増殖しないことがわかっているので、次のようなポイントを守って使いましょう。また、循環式浴槽を使用する家庭でも、浴槽の湯を適宜入れ替えて清掃し、清潔を保ちましょう。

【加湿器の清潔を保つための手入れのポイント】

・タンクをこまめに清掃する

・タンクの水はつぎ足さず、新しい水に入れ替える

・水道水を使う(ミネラルウォーターはNG)

・加湿器を使わないときは水を抜き、完全に乾かして保管する