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がん5年生存率の国際比較公表。日本は食道、肺、胃、乳房などが最高ランク

がん5年生存率の国際比較公表。日本は食道、肺、胃、乳房などが最高ランク

71カ国と322地域の3,750万症例を比較した大規模国際調査

日本のがん患者さんの生存率は、国際的にみてもトップレベルであり、6部位のがんで最高ランク(Aランク)と評価されたことがわかりました。

これは、先月(2018年2月)下旬に発表された、国立がん研究センターと英ロンドン大学衛生熱帯医学大学院および40の国際研究期間の共同による「CONCORD-3」という国際調査によるものです。

CONCORD-3では、71の国と322の地域の人口ベースのがん登録を用いて、2000~14年の15年間に診断されたがん3,750万症例の生存率を比較しており、国立がん研究センターによると、「現時点で最も国際的に比較可能性の高いもの」となっています。前回(2014年のCONCORD-2)対象となった10部位よりもさらに拡大し、今回は18部位を対象としています。

日本では血液がんの生存率が他地域よりも低い結果に

大部分のがんの生存率は、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンで最も高くなりました。経時的推移をみると、生存率のあまり高くない部位においても全体的に上昇傾向にあり、肝臓がん、膵臓(すいぞう)がん、肺がんについては、いくつかの国で最大5%も向上していました。

わが国は、食道がん、胃がん、肺がん、乳がん、子宮頸がん、小児リンパ腫の6部位がAランクと、非常に高い一方で、成人リンパ性疾患はCランク、皮膚の黒色腫、成人骨髄性疾患においてはDランクと他地域よりも低くなっていました。国立がん研究センターはそれらの血液がんの生存率が低い結果について、「日本人の発生しやすいがんの構成が違うため」と発表しています。

自分でできる予防と、がん検診の定期的な受診を

日本人のがん生存率の高さには、医療水準の高さに加え、検診の実施状況や関心の高さが貢献していると考えられていますが、がんが日本人の死因第1位であることは、この30年以上変わっていません。

がんから身を守るために私たちができることは、「正しい生活習慣でがんのリスクをできるだけ下げること」「必要ながん検診を受けて早期発見・早期治療につなげること」。まずは、最大のリスク要因である「喫煙」と「感染」(胃がんの原因となるピロリ菌や、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス、肝臓がんの原因となるB型・C型肝炎ウイルス)を避け、適度な飲酒やバランスのよい食生活、適正体重の維持、積極的な身体活動を心がけてがんを予防しましょう。そして、連載記事「知って受けよう! がん検診」を参考に、年齢に応じた必要ながん検診を定期的に受けることが大切です。