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難病の「特発性大腿骨頭壊死症」。歩行困難で手術が必要となることも

難病の「特発性大腿骨頭壊死症」。歩行困難で手術が必要となることも

股関節内の大腿骨頭(だいたいこっとう)が、つぶれて破壊される病気

先月(2018年3月)末、40代の男性俳優が、右股関節の「特発性大腿骨頭壊死症(とくはつせいだいたいこっとうえししょう)」により芸能活動を休止すると発表しました。3年前に手術を受け、リハビリをしながら負担の少ない仕事を続けていたものの、再発の恐れがあるため治療に専念するとのことです。

「大腿骨頭」は、太ももの骨の骨盤側にある球形をした骨のことです。その一部が血行障害によって壊死(えし)し、つぶれて破壊される病気を「大腿骨頭壊死症」といい、なかでも脱臼(だっきゅう)や骨折などの外傷とは関係ないものを特発性大腿骨頭壊死症と呼びます。はっきりとした原因が不明であり、治療が長期間に及ぶことが多いため、わが国では指定難病となっています。

30~50代に多く、股関節や腰・臀部(でんぶ)、膝などに痛みが出る

特発性大腿骨頭壊死症は、わが国では30~50代の人に多く、年間約2,000~3,000人が発症しています。骨が壊死した時点では自覚症状はなく、大腿骨頭がつぶれることにより、股関節のほか腰、膝、臀部に痛みが現れます。長期間かかって進行する変形性股関節症とは異なり、比較的急に痛みが出て歩行に支障をきたします。ただし、壊死だけで痛みが出ないままの人もいます。

働き盛りの年代に多いため、治療法を検討する際には、病気の状態のほかに年齢や職業、活動性なども考慮されます。あまり進行していない場合には痛み止めや杖などの保存療法となりますが、進行の恐れが大きいときは手術(関節温存手術や人工股関節置換術)が検討されます。

副腎皮質ステロイド薬の全身投与歴のある人や、飲酒量の多い人は注意

特発性大腿骨頭壊死症の危険因子としては、以下の2つが知られています。

・ステロイド薬を1日平均で15mg以上程度(代表的なステロイド薬のプレドニゾロン換算)、服用したことがある

・お酒を日本酒で2合以上、毎日飲んでいる

(厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 特発性大腿骨頭壊症」による)

全身性エリテマトーデス(SLE)、ぜんそく、ネフローゼなどの病気でステロイド薬を比較的多量に服用したことがある人や、日常的にお酒をたくさん飲む人は注意が必要です。早期に適切な治療を受ければ、痛みのない生活を送ることが可能となるため、股関節や腰・臀部、膝などに痛みを感じたときには、早めに整形外科を受診しましょう。