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急な吐き気や冷や汗に続く失神-血管迷走神経性失神(脳貧血)とは?

急な吐き気や冷や汗に続く失神-血管迷走神経性失神(脳貧血)とは?

長時間立っているときなどに急に起こる。腹部不快感や吐き気などが前触れ

時折、「満員電車内で人が倒れた」「子どもが学校の朝礼中に気分が悪くなった」という症状を見聞きします。これは、「血管迷走神経性失神」といい、失神の約6割を占める「反射性失神」に含まれる症状です。長時間立っているときや、過労や脱水があるとき、精神的緊張などの影響で起こりやすく、若い人と高齢者に多く見られます。「脳貧血」とも呼ばれています。

患者さんの多くが、発作直前に、腹部の不快感、頭痛、めまい、吐き気や嘔吐(おうと)、腹痛、冷や汗、顔面蒼白といった前触れ(前駆症状)を感じていることが特徴的です。

命に別状はないが、他の危険な失神や似た発作もあるため注意が必要

血管迷走神経性失神は、自律神経に一時的な異常が現れ、血圧が急低下することが原因で起こります。

しばらく横になったり、しゃがんだりしていれば1分以内に自然に回復します。倒れてけがをすることがなければ、後遺症の危険や寿命への影響はないとされています。

ただし、失神には、心臓病や肺の病気、消化管出血、アナフィラキシーショックなどによる危険なものもあります。また、てんかんやくも膜下出血でも失神に似た発作が現れるため、失神を起こしたらすぐに病院を受診するようにしましょう。特に、前触れとして胸の痛みがあるときは、心臓病が原因の「心原性失神」の可能性があります。

再発を避けるには、生活改善や予防のための訓練法を

血管迷走神経性失神には特別な治療法はありませんが、再発予防のために、原因となりやすいこと(脱水や長時間立っていること、飲酒、塩分制限など)を避ける指導が行われることがあります。また、薬の影響が考えられる場合は、その薬の服用を中止あるいは減量することもあります。

それらを行っても再発する場合は、「起立調整訓練法(チルトトレーニング)」という訓練が有効であることがわかっているので、「失神.jp」というWebサイトの解説を参考にして、取り組んでみるとよいでしょう。

また、前触れと思われる症状が起きたときには、とっさにしゃがみこんだり横になったりすることで失神を回避し、転倒によるけがを防ぐことができるので、覚えておくとよいでしょう。