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30~40代男性を中心に風しんが流行中! 予防接種で周囲の妊婦と胎児を守ろう

30~40代男性を中心に風しんが流行中! 予防接種で周囲の妊婦と胎児を守ろう

8月下旬の時点で、昨年1年間の約3倍の273人に。7割の患者が関東地方

2013年の大流行以来減少傾向であった「風しん」が、今年(2018年)7月以降、首都圏(千葉県、東京都、埼玉県、神奈川県)を中心に急増しています。国立感染症研究所の9月4日の報告では、8月20~26日の1週間の患者数が前週の約2倍の84人に。今年の累計報告数は273人となり、すでに2017年の1年間の患者数の約3倍を記録しています。

2013年の大流行時(患者数約14,000人)の影響として、妊婦への感染拡大による「先天性風しん症候群」の患者さんが45人も報告されていることから、特に妊婦さんやおなかの赤ちゃんを守るうえで、風しんの拡大防止が急がれています。

大人は症状が長引きやすい。妊婦が感染すると赤ちゃんに障害が起こる危険が

風しんは、風しんウイルスによる感染症で、患者さんの感染者のくしゃみや咳などで飛び散った唾などによる「飛沫(ひまつ)感染」で広がります。

感染すると約2~3週間後に、発熱、全身に広がる細かく赤い発しん、リンパ節の腫れや痛みなどの症状が現れます。子どもは比較的軽い症状ですが、まれ(2,000~5,000人に1人程度)に脳炎や血小板減少性紫斑病などの合併症が起こり、入院が必要となることがあります。一方、大人では発熱や発しんの期間が子どもよりも長かったり、関節痛がひどかったりすることが多く、一週間以上仕事を休まなければならないこともあるとされています。

さらに注意が必要なのは、前述のとおり、先天性風しん症候群です。これは、風しんに対する免疫が十分にない妊娠20週ごろまでの女性が感染した場合に、生まれてきた赤ちゃんに起こる可能性のある、難聴や心疾患、白内障、精神や身体の発達の遅れなどの障害のことです。

妊娠希望の女性と、免疫の不十分な30~50代男性は特に予防接種の検討を

最も有効な予防方法は風しんワクチン(あるいはMR:麻しん風しん混合ワクチン)を2回接種することであり、現在では1歳児と就学前の1年間の幼児に対してMRワクチンの定期接種が行われています。しかし、1990年4月1日以前に生まれた人は受けていても1回、さらに1979年4月1日以前に生まれた男性は1回も受ける機会がなかったために、免疫が不十分であることが確認されています。実際、今年の患者さんの多くが30~40代男性で、女性では20歳代に多いことがわかっています。

妊娠中あるいは妊娠希望の妻(パートナー)や家族がいる人はもちろん、妊娠出産年齢にある職場の同僚など周囲の人への感染を防ぐためには、一人ひとりが予防接種により風しんへの十分な免疫をもっておくことが大切です。厚生労働省では特に以下に当てはまる人に対し、任意で風しんの予防接種を受けることを検討するよう呼びかけています。


風しんの予防接種を受けるには、かかりつけ医や近くの小児科、あるいは自治体の保健所や地域の医師会などに相談しましょう。なお、妊娠希望の女性に対しては、多くの自治体で、風疹の免疫の状態を確認する抗体検査を無料で実施しています。詳しくは、厚生労働省の「風しん感染予防の普及・啓発事業」を参照してください。