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「毒きのこ」は見分けにくい。きのこはむやみに採らない、食べない!

「毒きのこ」は見分けにくい。きのこはむやみに採らない、食べない!

毎年9~11月を中心に、毒きのこによる中毒事故が発生。今年は9月に死亡例も

この時季になると、野山に出かけて山野草やきのこを採取する人も多いでしょう。その際に気をつけたいのが、誤って有毒植物や毒きのこに触れたり、食べてしまったりすることにより起こる食中毒です。

なかでも毒きのこによる食中毒は、例年9~11月に集中して発生し、特に10月に多発しています。厚生労働省の発表(「平成29年原因食品別食中毒発生状況」)によると、昨年(2017年)も16件中9件が10月に発生し、計25人の患者さんが出ました。今年は9月に3件のみですが、うち1件は「ニセクロハツ」というきのこを家庭で調理して食べたことによる死亡例となっており、十分な注意が必要です。

日本に毒きのこは200種類。食用と誤って採取し、事故につながっている

日本に存在する4000~5000種類のきのこのうち、食べることができるといわれているきのこは約100種類で、毒きのこはその倍の200種類以上もあることがわかっています。また、残りの多くのきのこは毒性があるかどうかもわかっていません。

わかっている毒きのこのなかで、実際に中毒事故を引き起こしているのは10種類程度ですが、食べられるきのこに似ていたり、たくさん生えていておいしそうに見えることから、誤って採取して食べてしまう事故が多くなっています。また、古くから食用とされてきたものの、急性脳症を起こすことが2004年にわかった「スギヒラタケ」や、触るだけで炎症を起こす「カエンタケ」などの毒きのこもあります。

野山で野生のきのこを見つけても、安易に採って食べたり、人にあげたりしないようにしましょう。

毒きのこによる健康障害には、消化器症状、神経症状、全身症状などがある

毒きのこによって起こる健康障害は、きのこの種類によって異なりますが、作用別に大きく以下の3つに分けられます。

●毒きのこによる主な症状

  • 消化器障害型
    消化器系に作用する。20分~2時間程度で吐き気や嘔吐(おうと)、下痢、全身の倦怠(けんたい)感などが現れる。
  • 神経障害型
    神経系に作用する。数十分~1時間程度で発汗や瞳孔縮小、興奮、精神錯乱、幻視・幻聴、頭痛やめまいなどが起こる。重症例では呼吸困難や筋弛緩から意識不明に陥ることもある。
  • 原形質毒性型
    さまざまな臓器や細胞に作用する。消化器症状から始まり、心機能障害や腎不全、肝不全、脳障害といった全身症状を併発して、死に至ることがある。10~30分後に症状が現れるきのこもあれば、6~10時間以上経過してから現れるきのこもある。

(食品安全委員会「毒キノコによる食中毒にご注意ください」より作成)

中毒事故の大半を占める「ツキヨタケ」「クサウラベニタケ」は消化器障害型ですが、死に至る確率が高いのは原形質毒性型で、今年死亡例のあった「ニセクロハツ」もこのタイプです。

採らない、食べないことが大前提ですが、万が一野生のきのこを食べて体調不良を感じたら、すぐに医療機関を受診しましょう。