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梅毒患者数は過去最多に。特に妊婦・妊娠希望の女性は要注意

梅毒患者数は過去最多に。特に妊婦・妊娠希望の女性は要注意

性的接触で感染する梅毒。大都市で集中して発生しており、東京が最多

梅毒は、「梅毒トレポネーマ」という病原菌によって起こる感染症で、性的接触(感染部位と粘膜や皮膚の直接接触)などでうつります。

梅毒の患者数は毎年増加傾向にありますが、今年(2018年)は6,096人(11月28日現在、国立感染症研究所の発表による)と、昨年の約5,800人を上回り、現行の集計方法では過去最多を記録しています。

梅毒患者は東京、大阪、愛知、神奈川、福岡といった大都市に集中しており、なかでも4分の1を占める約1,500人が東京で感染しています。

早期に薬物治療を開始すれば完治が可能だが、放置すれば重い障害の危険も

感染すると、初期(感染後約3週間)には、陰部や口の内外、肛門などの感染部位にしこりができることがあります。また、鼠径部(そけいぶ、股の付け根の部分)のリンパ節が腫れることもありますが、痛みはないことが多く、治療をしなくても症状がよくなる場合があります。とはいえ、病原菌が体内から消えたわけではなく、人にうつす可能性もあるので、不安がある場合はこの時期の検査が勧められます。

初期に発見し、適切に薬物治療を行うことで完治が可能ですが、数カ月が経過すると、手のひらや足の裏、体全体に、うっすらと小さな赤いバラのような発疹(バラ疹)が出ることがあります。

さらに、無治療で数年が経過すると、皮膚や骨、筋肉などにゴムのような腫瘍(ゴム腫)が発生したり、心臓や血管、脳など複数の臓器に障害が起こることがあり、命にかかわる場合もあります。

梅毒の治療では、抗菌薬を内服しますが、完治するまできちんと続けることが大切です。途中で無症状になる場合がありますが、自己判断で治療を中断せず、医師の指示に従って最後まで薬を服用しましょう。

妊娠期の女性は特に注意を。正しい知識をもって、梅毒予防・早期発見

特に、妊娠期の女性やそのパートナーは、梅毒に関する正しい知識をもっておくことが大切です。

妊娠中の女性が梅毒に感染すると、胎盤を通じて胎児に感染し、早産や死産、新生児死亡、奇形が起こる「先天梅毒」の危険があります。近年、わが国では20代を中心に女性の梅毒患者数が増加していることから、先天梅毒の報告数も増えています。

梅毒を予防・早期発見するためには、異性間・同性間問わず、性行為に関して下記のポイントに気をつけることが重要です。

【梅毒予防のためのポイント】

  • 基本として、不特定多数との性行為、疑似性行為を避ける
  • コンドームを正しく使用することが大切
  • お互いに感染しない、させないために、パートナー同士で感染有無を確認する
  • 妊娠を考える女性は、事前に梅毒検査を受けておく
  • 妊娠中の女性は、妊婦健診をしっかり受診し、妊娠中の感染予防にも努める
  • 感染が疑われる場合は、早めに医療機関を受診する

(東京都感染症情報センターホームページより作成)